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作品詳細
やさしいにっぽん人
「シャカ」と呼ばれる青年とその恋人や友人
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。深い霧の様に閉ざされた情況の中を疾走するには、あまりにノロすぎるオートバイで虐殺の島、渡嘉敷からそのヘソの緒を後生大事にひきずりゆく男シャカ。故郷に言葉を置き去りにしてきた謝花治は、すでに国家や他者を切り裂く言葉を持たない。引用野郎と呼ばれながらも、ひたすら他人の言葉をしゃべり続け彼の奥深く、何かが沈殿してゆく。ジュラルミンの楯の不気味な程鋭角的響きと、軍靴の音が肌に伝わる日本列島の中で、彼の仲間達はアモルフな情念に全てを託す。ヒタヒタと気味悪く、しかも確実に押し寄せるみえざるものの前に、言葉は、映像はからめ取られた自由に過ぎないのか。
■解説
昭和二十年、沖縄慶良間列島渡嘉敷島の集団自決を生きのびた赤ん坊であり、今は何もそのことを記憶していないという暗示的な運命を持つ「シャカ」と呼ばれる青年と、その恋人や友人たちの、真の「ことば」を求めての魂の遍歴の記録として、映画は展開される。脚本は「沖縄列島」の東陽一と前田勝弘、監督も同作の東陽一。撮影も同作の池田伝一がそれぞれ担当。
- 配給:-
- 製作国:日本(1971)
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- ジャンル:
- ドラマ
■スタッフ
監督 | 東陽一 (ヒガシヨウイチ) |
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脚本 | 東陽一 (ヒガシヨウイチ) 前田勝弘 (マエダカツヒロ) |
製作 | 高木隆太郎 (タカギリュウタロウ) |
撮影 | 池田伝一 (イケダデンイチ) |
美術 | 平田免郎 永沼宗夫 (ナガヌマムネオ) |
音楽 | 東陽一 (ヒガシヨウイチ) 田山雅光 (タヤママサミツ) |
録音 | 久保田幸雄 (クボタユキオ) |
照明 | 鈴木直秀 |
編集 | 東陽一 (ヒガシヨウイチ) 関沢孝子 (セキザワタカコ) |
助監督 | 前田勝弘 (マエダカツヒロ) 石渡邦夫 栗原剛志 (クリハラタケシ) |
スチル | 江西浩一 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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河原崎長一郎 (カワラサキチョウイチロウ) | シャカ |
緑魔子 (Midori Mako) | ユメ |
伊丹十三 (Juzo Itami) | 主任 |
伊藤惣一 (イトウソウイチ) | 野口 |
石橋蓮司 (Renji Ishibashi) | 小西 |
蟹江敬三 (Keizo Kanie) | シゲ |
寺田柾 | 堺 |
横山リエ (ヨコヤマリエ) | マキ |
渡辺美佐子 (Watanabe Misako) | 物語の女 |
大辻伺郎 (オオツジシロウ) | 一〇四号の男 |
平田守 (ヒラタマモル) | 薬局店主 |
桜井浩子 (サクライヒロコ) | 若い母親 |
東山千栄子 (ヒガシヤマチエコ) | お婆さん |
秋浜悟史 (アキハマサトシ) | 根元又三郎 |
陶隆司 (スエタカシ) | 柾便所の男 |