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作品詳細
潮騒('71)
三島由紀夫の同名小説を映画化
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。伊勢海の湾口にある歌島は、人口1400、周囲1里に充たない小島である。人口の多くは漁師と海女である。新治は十八歳。背丈は高く、体つきも立派で顔立ちの稚さだけがその年齢に適っていた。彼は一昨年中学を卒業するとすぐ十吉の船に乗り込み、母と弟の生計を助けていた。ある日、彼が、見知らぬ少女と出逢ったのは夕暮れの浜だった。額は汗ばみ、頬は燃え、寒い西風に髪をなびかせながら、少女は暮れていく西の空を見つめていた。新治はその顔に見覚えがなかった。といって少女は他者らしい身装はしていない。新治はわざわざ少女の前を通った。少女は軽く眉をひきしめ、彼を黙殺し、じっと沖の方を見つめたままだった。翌日、新治は船の中で十吉から昨日の少女の話を聞いた。男やもめで金持ちで、しかも村一番のがみがみ親爺の宮田照吉が、一人息子に死なれたため、他所に預けておいた末娘の初江を呼びもどし、島で婿取りさせるというのだ。それから四、五日した強風の日のことであった。風のために休魚したので山の観的哨跡に薪を取りにでかけた新治は、そこで道に迷っている初江に出逢った。
■解説
伊勢の歌島を舞台に、文明に犯されない純朴な男女の結ばれていくまでの愛を描く。過去に映画化されている5本の中で、最も原作に近いとされる一作。ラヴェルなどにも愛された「ダフニスとクロエ」を下敷きにした原作の崇高な薫りをそのままに、新人の二人が清冽に初々しく初江と新治を演じ、役者の無名さゆえの普遍的な青春劇となっている。(キネマ旬報 全映画作品データベースより抜粋)
- 配給:-
- 製作国:日本(1971)
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- ジャンル:
- ドラマ