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作品詳細
青い車
生きているだけでラッキーなはずだった、でも、むなしくて、さびしくて…
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。幼い頃事故に遭い、片目に大きな傷を負ったリチオ(ARATA)は、心の内側を誰にも見せまいとでもするように、いつも黒いサングラスをかけている。ほとんど感情をあらわにすることもなく、恋人のアケミ(麻生久美子)とも距離を置き、中古レコード店に勤め、時々クラブでDJをしながら淡々と日々を過ごしていた。そんなある日、アケミの妹・このみ(宮崎あおい)に、偶然出会う。このみは、そのままアパートまでついてきて、リチオのサングラスをはずした顔を見たいと言う。
■解説
およそ「情熱」という言葉とはほど遠い存在のリチオ。彼が命拾いをした事故について、詳しいことは語られず、感情を吐露する場面は夢の中だけだ。無数のためらい傷を腕に残し、生きることそのものを、冷めた視線で眺めている。それは、諦めにも似た感覚。何かに深くのめり込んでしまうことへの戸惑いなのかもしれない。たとえば、ひっそりと「幸せ」を願う恋人を、やんわりと遠ざけてしまうように。
これまでも、極めて現代的な若者たちの姿に注目してきた奥原浩志監督が、よしもとよしともの同名コミックを原作に描いたのは、血潮を熱くたぎらせるような青春活劇の対極にある、平温で現実的な日常だ。リチオは、突然訪れる決定的な別れと、それがもたらす激しい痛みを通して、ようやく意志的に未来を選びとることに目覚めてゆく。
2004年11月20日 より シネ・アミューズほか全国にて順次公開
- 配給:ジェネオン エンタテインメント、スローラーナー
- 製作国:日本(2004)
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- ジャンル:
- ドラマ
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