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作品詳細
父と暮せば
おとったん、ありがと…。父と娘の語らいをつづる、ひたむきな反戦映画
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。終戦から3年後の広島。図書館に勤める美津江(宮沢りえ)は、たった一人の家族だった父親を原爆で喪い、生き残った自分に負い目を感じながら暮らしていた。ある日、原爆の資料を探しに図書館を訪れた青年(浅野忠信)と出会い、互いに惹かれ合うが、美津江は「うちは幸せになってはいけんのじゃ」と自分の心を塞ぎ、青年の誘いを断ろうとする。そんな娘を見かねたのか、その晩から美津江の前に父・竹造(原田芳雄)の幽霊が現れ始める。“恋の応援団長”を名乗る竹造は、あの手この手で娘の心を開かせようとするが…。
■解説
黒木和雄監督の“戦争レクイエム三部作”の完結編となる本作は、井上ひさしの同名戯曲を映画化した反戦ドラマ。戦後の広島を舞台に、原爆で死んだ父と遺された娘の交流を描く。これまでも『TOMORROW/明日』『美しい夏キリシマ』といった作品で、市井の人々と戦争の関わりを描いてきた黒木監督。本作でもそのアプローチは健在で、政治的な視点や大上段なメッセージをいっさい用いず、終始一貫、宮沢りえと原田芳雄が演じる親子の対話を見つめ続ける。
2人の夫婦漫才のような掛け合いが微笑ましく、広島弁の響きも耳に心地よい。それだけにこの対話が、今は亡き父とその死に責任を感じる娘の、免罪を巡る交信なのだという事実が、深い哀しみとなって撥ね返ってくる。「おとったん」と呼びかける娘の笑顔、それが何より雄弁に命の重みを教えてくれる。
2004年7月31日 より 岩波ホールほか全国にて順次公開
- 配給:パル企画
- 製作国:日本(2004)
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- ジャンル:
- ドラマ
- 公式サイトはこちら>>
■スタッフ
監督 | 黒木和雄 (Kazuo Kuroki) |
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脚色 | 黒木和雄 (Kazuo Kuroki) 池田眞也 (イケダシンヤ) |
原作 | 井上ひさし (Hisashi Inoue) |
企画 | 深田誠剛 (Seigou Fukada) |
製作 | 石川富康 (イシカワトミヤス) 川城和実 (Kazumi Kawashiro) 張江肇 金澤龍一郎 (カナザワリュウイチロウ) 松本洋一 (マツモトヨウイチ) 鈴木ワタル (スズキワタル) |
プロデューサー | 河野聡 (カワノサトシ) 木谷奈津子 (コタニナツコ) 桑島雅直 (クワジママサナオ) 大村正一郎 奈良聡久 (ナラトシヒサ) 大橋孝史 (オオハシタカシ) |
撮影監督 | 鈴木達夫 (Tatsuo Suzuki) |
美術 | 安宅紀史 (アタカノリフミ) |
装飾 | 天野竜哉 (アマノタツヤ) |
音楽 | 松村禎三 (マツムラテイゾウ) |
録音 | 久保田幸雄 (クボタユキオ) |
音響効果 | 帆苅幸雄 |
照明 | 三上日出志 (ミカミヒデシ) |
編集監督 | 木村威夫 (Takeo Kimura) |
編集 | 奥原好幸 (オクハラヨシユキ) |
衣裳 | 宮本茉莉 (ミヤモトマリ) |
指揮 | 遠崎智宏 (トオザキトモヒロ) |
ラインプロデューサー | 上原英和 (ウエハラヒデカズ) |
助監督 | 水戸敏博 (ミトトシヒロ) |
記録 | 内田絢子 |
特殊効果 | 小林正巳 (コバヤシマサミ) 田中貴志 (タナカタカシ) 大屋哲男 (オオヤテツオ) |
VFX | マリンポスト (マリンポスト) |
特殊メイク | 松井祐一 (Yuuichi Matsui) |