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作品詳細
アララトの聖母
悲劇の歴史が結びつけた、現代に生きる様々な心を描く、アトム・エゴヤン監督最新作
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。アルメニア出身の映画監督、エドワード・サロヤンは、新作の撮影のためにカナダへやってきた。テーマは、20世紀初頭、アララト山の麓で起きたアルメニア人の虐殺事件。サロヤンは、犠牲者を母に持つ画家、ゴーキーの存在に注目し、美術研究家のアニに映画の顧問を依頼する。アニの息子ラフィは、アルメニアの活動家として死んだ父の存在に悩んでいた。サロヤンの現場で働きながら、ラフィは次第に、民族の歴史と自らのアイデンティティーを探し求めていく。
■解説
カナダで育ったアトム・エゴヤン監督は、アルメニア亡命者の両親を持っている。アルメニアは黒海とカスピ海に挟まれた場所に位置し、トルコ東部のアララト山を聖なる山として崇めてきた。第一次世界大戦下の1915年、トルコとの緊張から起きた大虐殺事件は、およそ30万人の犠牲者を出したと言われている。本作『アララトの聖母』は、エゴヤン監督が自らのルーツを投影させ、人々の記憶から喪失された民族の歴史を振り返る群像劇。
亡き父の存在と自分のルーツに疑問を抱く青年ラフィ。ラフィの心がつかめず思い悩む母親アニ。アニの再婚相手の娘シリアは、父親の事故死の原因はアニであると、彼女を深く憎んでいる。関税検査官のデヴィッドは、同性愛者の息子に心を開くことが出来ない。バラバラになった家族の心は、アルメニアの画家ゴーキーの描いた一枚の絵、「芸術家と母親」が表現する虐殺の傷跡に溶け込んでいく。過去を受け止め、現在を受け入れて成長する人間たちの、絆の再生を映し出した重厚なドラマ。
2003年10月4日 より シャンテ・シネほか全国にて順次公開
- 配給:ギャガ・コミュニケーションズ
- 製作国:カナダ(2002)
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- ジャンル:
- ドラマ
- 公式サイトはこちら>>
■スタッフ
監督 | アトム・エゴヤン (Atom Egoyan) |
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脚本 | アトム・エゴヤン (Atom Egoyan) |
製作 | アトム・エゴヤン (Atom Egoyan) ロバート・ラントス (Robert Lantos) |
撮影 | ポール・サロシー (Paul Sarossy) |
美術 | フィリップ・バーカー (Phillip Barker) |
音楽 | マイケル・ダナ (Mychael Danna) |
編集 | スーザン・シプトン (Susan Shipton) |
衣装デザイン | ベス・パスターナク (Beth Pasternak) |
字幕 | 松浦美奈 (Mina Matsuura) |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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デイヴィッド・アルペイ (David Alpay) | Raffi |
シャルル・アズナヴール (Charles Aznavour) | Edward Saroyan |
アーシニー・カンジャン (Arsiniee Khanjian) | Ani |
マリー=ジョゼ・クローズ (Marie-Josee Croze) | Celia |
イライアス・コティーズ (Elias Koteas) | Ali |
ブルース・グリーンウッド (Bruce Greenwood) | Martin Harcourt |
クリストファー・プラマー (Christopher Plummer) | David |
エリック・ボゴジアン (Eric Bogosian) | Rouben |
ブレント・カーヴァー (Brent Carver) | Philip |