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作品詳細
赤目四十八瀧心中未遂
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。すべてを捨てたのか、それとも、すべてに捨てられたのか……。判然としないが、ただひとつ確かなことは、この世に自分の居場所がない、ということだった。そう思い定めて、男(大西滝次郎)は尼崎にたどり着いた。男の名は、生島与一。焼鳥屋「伊賀屋」の女主人・勢子ねえさん(大楠道代)は、生島が薄暗い店先に立ったとき、身を捨てようとしながらも捨てきれないでいる生島の性根を、一瞥で見抜く。生島は、勢子にあてがわれた古いアパートの一室で、来る日も来る日も、焼き鳥屋で使うモツ肉や鳥肉の串刺しをして、口を糊するようになる。串1本に対して3円。1日に1000本は刺してゆく。周囲の誰もが、勢子すらがそんな生活をしていて、よく平気でいられるもんだな、と生島に言う。しかし、男はただひたすらに串を刺してゆく。生島の前に現れたのが、若く美しい女・綾(寺島しのぶ)だった。猛禽のような凄い目の光を放つ女。その目に魅入られたら、もはや逃れる術はない。自らは「ドブ川の泥の粥すすって育った女やのに」と言うが、菩薩のような微笑をたたえた女でもある。親子ほどの年のはなれた刺青師・彫眉(内田裕也)と暮らし、女の背中には一面に迦陵頻伽の刺青が翼を広げていた。臓物の臭いのこもる生島の部屋で、彼女が白いワンピースを脱ぐと、背中の迦陵頻伽がほの暗い光の中に揺れる。二人はやがて関係をもち、綾は生島に自分を連れて逃げるよう懇願する。綾を連れ、生島は尼ヶ崎、大阪天王寺、赤目四十八瀧をさ迷う。しかし、ふたりは死にきれず大阪へ戻るのであったが、その途中、綾は生島と別れ、ひとり博多へ向かうのだった。
■解説
直木賞を受賞した車谷長吉の『赤目四十八瀧心中未遂』(文藝春秋社)が、荒戸源次郎によって映画化。寺島しのぶが映画初主演を果たし、ヒロインを演じる。主人公の男に扮するのは、新人・大西滝次郎。ほか大楠道代、内田裕也らが共演。2003年9月25日より大阪・あべの橋近鉄アート館にて先行上映。
2003年10月25日 より
- 配給:赤目製作所
- 製作国:日本(2003)
■スタッフ
監督 | 荒戸源次郎 (アラトゲンジロウ) |
---|---|
脚本 | 鈴木棟也 |
原作 | 車谷長吉 (クルマタニチョウキツ) |
製作 | 河津秋敏 (カワヅアキトシ) 石川富康 (イシカワトミヤス) 村山治 橘秀仁 (タチバナヒデヒト) |
プロデューサー | 村岡伸一郎 (ムラオカシンイチロウ) |
協力プロデューサー | 林海象 (Kaizo Hayashi) 福原稔浩 |
撮影 | 笠松則通 (カサマツノリミチ) |
美術 | 金勝浩一 (カナカツヒロカズ) |
装飾 | 佐々木博崇 |
音楽 | 千野秀一 (チノシュウイチ) |
録音 | 柿澤潔 (カキザワ) |
音響効果 | 斎藤昌利 (サイトウマサトシ) |
照明 | 石田健司 |
編集 | 奥原好幸 (オクハラヨシユキ) |
衣裳 | 宮本まさ江 (Masae Miyamoto) |
選曲 | 浅梨なおこ |
製作担当 | 田嶋啓次 (タジマヨシツグ) |
助監督 | 佐藤英明 |
スクリプター | 大和屋叡子 |
不明 | |
スチール | 江森康之 |
視覚効果 | 石井教雄 (イシイノリオ) |
図匠 | 清野僚一 |
刺青実技指導 | 三代目彫よし |
迦陵頻伽 | 浅草堀長本家 |
達磨人形製作 | 加野正浩 |
題字 | 守拙日諄 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
---|---|
大西信満 (Shima Oonishi) | 生島与一 |
寺島しのぶ (Shinobu Terajima) | 綾 |
大楠道代 (Okusu Michiyo) | 岸田勢子 |
内田裕也 (Yuya Uchida) | 彫眉 |
赤井英和 (Hidekazu Akai) | 新世界 |
麿赤兒 (Akaji Maro) | 三角眼 |
新井浩文 (Hirofumi Arai) | 犀 |
大楽源太 (ダイラクゲンタ) | 真田 |
大森南朋 (Nao Omori) | 業 |
榎田貴斗 (エノキダタカト) | 晋平 |
秋山道男 (アキヤマミチオ) | 出痔亀 |
渡邉謙作 (ワタナベケンサク) | 三白眼 |
大村琥珀 (オオムラコハク) | 眠り猫 |
沖山秀子 (オキヤマヒデコ) | 辻姫 |
内田春菊 (ウチダシュンギク) | 娼婦 |
絵沢萠子 (エザワモエコ) | 売女 |
牧口元美 | 父巡礼 |
上杉幸子 | 母巡礼 |
森下能幸 (Yoshiyuki Morishita) | 爺公 |
金子清文 (カネコキヨフミ) | 山根 |
江森檜男 | ぴの |
森山一裕 (モリヤマカズヒロ) | 少年 |
貴山侑哉 (キヤマユウヤ) | 私刑の男 |
武田一度 (タケダイチド) | 労務者 |
狸穴善五郎 (マミアナゼンゴロウ) | 頓死の男 |
小園久史 (オゾノヒサシ) | 不動明王 |
小島博幸 (コジマヒロユキ) | 桃太郎 |
金堂修一 | 売春の男 |
岩井美智子 (イワイミチ) | 土産屋店員 |
辻本晴夫 (ツジモトハルオ) | 鉄板屋親父 |
崎山雅隆 (サキヤママサタカ) | 精肉屋親父 |