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作品詳細
あつもの 杢平の秋
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。消防士を定年退職し、妻夏美の精神病院入院をきっかけに北陸の田舎町から東京近郊に暮らす息子夫婦の元に身を寄せることになった馬野杢平。彼は、大菊の厚物を仕立てることでは北陸の名人と呼ばれる腕前を持っている。ある日、地元の菊同好会の集まりで、老人相手に援助交際をしている音大生のミハルを紹介された杢平は、彼女の道案内で隣町に住む黒瀬の家を訪ねた。黒瀬は全国的に名の知れた厚物作りの名人で、杢平が菊にのめりこんだのも、少年時代、北陸に疎開してきた黒瀬が作った厚物を見たことが原因だった。しかし、黒瀬という男は偏屈で欲深く、地元の同好会にもすこぶる評判が悪い。彼は杢平にもけんもほろろの対応をするのだが、ミハルには興味を抱いたようだった。杢平に「ミハルを紹介してくれたら、とっておきの肥料を教える」と迫る黒瀬。杢平はその言葉を信じ、ミハルを黒瀬にあてがうが、教えられた肥料はありきたりのものだった。黒瀬に騙されたことと、ミハルを利用した自分の情けなさに自己嫌悪に陥る杢平。だが、彼はその悔しさをバネに立派な厚物を仕立て、関東大菊花会にて黒瀬の厚物を破り優勝するのであった。そんな杢平に悔しさをぶつける黒瀬。それからしばらく後、黒瀬のことが心配になり家を訪れた杢平は、そこに投資会社を相手に儲け話を企む相変わらずしたたかな黒瀬を見る。
■解説
厚物と呼ばれる菊を咲かせることに情熱を燃やすふたりの老人と、彼らを相手に援助交際する女子大生が織りなす人間模様を描いたドラマ。監督は、本作が初監督作となる「優駿 ORACION」の脚本家、池端俊策。第7回芥川賞を受賞した中山義秀の『厚物咲』を、池端監督自らが脚色。撮影を「大往生」の栃沢正夫が担当している。主演は、「流星」の緒方拳と「完全なる飼育」の小島聖、「アジアの瞳」のヨシ笈田。99年度ベノデ国際映画祭グランプリ受賞。
1999年10月30日 より
- 配給:シネカノン
- 製作国:日本(1999)
■スタッフ
監督 | 池端俊策 |
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脚色 | 池端俊策 |
原作 | 中山義秀 (ナカヤマヨシヒデ) |
製作 | 李鳳宇 (リボンウ) 中村雅哉 (Masaya Nakamura) 國實瑞恵 (クニザネミズホ) |
プロデューサー | 池端俊二 (イケハタシュンジ) |
プロデューサー補 | 遠田孝男 (トオダタカオ) |
撮影 | 栃沢正夫 (トチザワマサオ) |
美術 | 池谷仙克 (イケヤノリヨシ) |
音楽 | 岩代太郎 (イワシロタロウ) |
録音 | 横溝正俊 (ヨコミゾマサトシ) |
整音 | 山本逸美 (ヤマモトイツミ) |
効果 | 佐々木英世 (ササキヒデヨ) |
照明 | 嶋田忠昭 (シマダタダアキ) |
編集 | 大島ともよ (オオシマトモヨ) |
衣裳 | 斉藤育子 |
制作担当 | 紺野生 (コンノセイ) 清水啓太郎 (シミズケイタロウ) |
助監督 | 梅原紀且 (ウメハラ) |
スクリプター | 今村治子 (イマムラハルコ) |
スチール | 野上哲夫 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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緒形拳 (Ken Ogata) | 馬野杢平 |
小島聖 (Kojima Hijiri) | 神内ミハル |
笈田ヨシ (オイダヨシ) | 黒瀬玄一 |
大楠道代 (Okusu Michiyo) | 馬野夏実 |
田辺誠一 (Seiichi Tanabe) | 馬野光一 |
清水美砂 (シミズミサ) | 馬野葉子 |
中村嘉葎雄 (Katsuo Nakamura) | 笠森庄太郎 |
杉本哲太 (Tetta Sugimoto) | 笠森銃太 |
財津一郎 (ザイツイチロウ) | 唐山精之助 |
三谷昇 (ミタニノボル) | 宝来五十次 |
串田和美 (クシダカズヨシ) | 大竹銀次 |
光石研 (Ken Mitsuishi) | 警官 |
広岡由里子 (ヒロオカユリコ) | 看護婦 |
内山眞人 | 少年時代の黒瀬 |
小川一樹 | 少年時代の杢平 |
笠原秀幸 (カサハラヒデユキ) | 村の少年 |