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作品詳細

  • 犯人に願いを

 

■ストーリー

※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

土砂降りの雨が激しく窓を叩く中、カメラマン・瀬島充のスタジオを兼ねたマンションの一室で、瀬島が腹部に包丁を突き立てられていた。病院に向かう救急車の中で、瀬島は「アーちゃんにやられた」とだけ言い残すと昏睡状態に陥ってしまった。その夜、居酒屋で酔い潰れたスタイリストの大谷あゆみは、愛宕県警・室町署のトラ箱で一晩を過ごす。翌朝、取り調べ室で不安げに座っているあゆみを、マジックミラー越しの隣の部屋から刑事課強行班捜査第一係刑事の田中明と加藤弘の二人が睨んでいた。田中と加藤は過去に担当したいくつかの事件での失態から、通称“誤認の田中”と“予断の加藤”と呼ばれる“冤罪コンビ”だった。県警本部長の長谷川と署長の安田は二人を担当から外したいと思っていたが、独断であゆみが犯人だと決め付けた“冤罪コンビ”は、任意の事情聴取の名の下にあゆみの取調べを開始する。あゆみはかつて瀬島の恋人であったが、一年前に別れて以来、瀬島とは一度も会っていなかった。犯行を否定するあゆみの言葉を田中と加藤は聞き入れず、心理的拷問ともいえる取調べを続けた。あゆみは次第に情緒不安定になって泣き続けるようになる。同僚の刑事たちの間からはやり過ぎだという声も上がったが、田中と加藤は全く耳を貸さなかった。来る日も来る日も続く取調べから精神状態がおかしくなってきたあゆみは、田中と加藤の巧妙な誘導尋問によって本当に自分がやったように思い始め、「わたしがやりました」と自白してしまう。それをきっかけに田中と加藤とあゆみは犯行のプロセスを三人で創作し、舞台のように実演を交えながら調書を作成した。三人は捏造された取調べ調書を完成させた瞬間、至福の一体感を味わうのだった。その直後、瀬島の意識が戻ったと聞いて病院へ駆け付けた田中と加藤は、瀬島の口からあゆみが犯人ではないという言葉を聞いて愕然とする。瀬島はそれだけ言い残すと息を引き取った。さらに瀬島の中には、瀬島を横恋慕しているアーちゃんという女のもうひとつの別人格が棲んでおり、事件はそのアーちゃんが引き起こした狂言自殺だったことがわかった。あゆみを犯人と断定する状況証拠や目撃証言も次々と覆されていき、“冤罪コンビ”もあゆみが無実だと認めざるを得なくなる。しかし、あゆみは完全に自分が犯人だと思い込んでおり、あゆみを元の精神状態に戻すべく田中と加藤は取調べを続けることになった。事件の夜にあゆみと一緒にいたという江島の証言により、あゆみは次第に自分が無実であることを思い出していた。しかし、その後の調べからあゆみをアーちゃんから守るために瀬島があゆみを捨てたことがわかり、瀬島の自分に対する思いの強さを知ったあゆみは、彼を苦しめたのは自分のせいだと思い込んで、再び犯行を認める。業を煮やした田中と加藤は、このままあゆみを犯人として送検する決断を下すのだった。



■解説

歪んだ思い込みと曲がった正義感から、“冤罪コンビ”と呼ばれる二人の刑事によって、ごく普通の一般人が恐怖のどん底に陥れられる様を描いたブラック・コメディ。監督は「大阪極道戦争 しのいだれ」の細野辰興。主演の“冤罪コンビ”に「極道の妻たち 赫い絆」の萩原流行と「ふうせん2」の金山一彦。冤罪の恐怖にさらされるヒロインに「ガメラ 大怪獣空中決戦」の中山忍。

  • 1995年12月2日 より

  • 配給:バンダイビジュアル
  • 製作国:日本(1995)

■スタッフ

監督 細野辰興 (ホソノタツオキ)
脚本 宮下隼一 (ミヤシタ) 細野辰興 (ホソノタツオキ)
原案 西田昇 (ニシダノボル)
プロデューサー 本村好弘 (モトムラ) 杉崎隆行 (スギサキ)
撮影 山本英夫 (Hideo Yamamoto)
美術 高橋章 (タカハシアキラ)
音楽 薮中博章
音楽コーディネーター 加地厚仁 (カジ)
Yanagiya
録音 渡辺典夫 (ワタナベノリオ)
照明 高屋齋 (タカラヒトシ)
編集 高橋信之 (タカハシノブユキ)
衣装デザイン 中川知 (ナカガワ)
助監督 横山浩幸 (ヨコヤマヒロユキ)
スクリプター 岡本和子
スチール 奥川彰

■キャスト

俳優名 役名
萩原流行 (Nagare Hagiwara)  田中明
金山一彦 (Kazuhiko Kanayama)  加藤弘
中山忍 (Nakayama Shinobu)  大谷あゆみ
平泉成 (Sei Hiraizumi)  長谷川
中上ちか (ナカガミチカ)  レポーター
小須田康人 (コスダヤスト)  瀬島充
市川勇 (イチカワイサム)  安田
SABU (Sabu)  江島

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