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作品詳細
真昼の対決
(原題:Duel at Noon)
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。酒と女、ばくちと喧嘩に明け暮れる北国のダム工事現場に、種ケ島権兵衛という柔道五段の牧師が赴任してきた。工事場では大館組と山田組のあらくれ作業員が働いているが、仲が悪く喧嘩出入りがいつも絶えない。権兵衛は分教場の萩野信子先生と協力して、子供たちに野球を教え、ばくちや喧嘩の真似をやめさせた。作業員相手の飲み屋ちとせの女給千代を根気よく張りにくるのは、殺人の前科をかくして大館組の帳付けをやっている田代と、山田組の飯場頭辰五郎だ。親の借金と、弟の学費のため女給になった千代は、深酒から体をこわしたが、医者がインチキで一向によくならない。医大出身の権兵衛は病気をなおしてやろうと骨を折り、千代にはその好意が身に泌みてうれしい。面白くないのは彼女に執心の辰五郎だ。彼は礼拝堂で説教中の権兵衛に仕込み杖を振り回した。初めは防禦一方の権兵衛も、つい柔道の手が出て投げ飛ばした。翌日、辰五郎は子供をつれて教会に現れた。そして、弟子にしてくれと頼み、信者気どりで讃美歌の練習を始める始末だ。千代は手当をして貰ったお礼に、自分で編んだ手袋を権兵衛に贈った。千代の権兵衛への慕情はつのるばかりだが、所詮叶わぬ恋と諦め、再び深酒にまぎらす日が続いた。見かねた信子は権兵衛に、「千代さんを倖せにできるのは貴方だけです」というが、その信子も、ひそかに権兵衛を想っているのだ。やがて、ダムの第一工事が完成したが、その祝賀会の席上で、第二次工事は大館組だけでやると発表された。辰五郎は血相変えて教会へ駈けつけ、大館組へ殴り込みをかけるから許してくれといった。しかし権兵衛は、「辰さん一人で話に行くこと。絶対に暴力を使ってはいけない」とさとした。単身、大館組に乗り込んだ辰五郎は田代に刺され、教会まで這って帰ると絶命した。権兵衛は手にした聖書を十字架にそなえ、「僕はもう牧師じゃない。ただの人間です」といい放つと、必死にとめる千代の手を振り切って工事事務所へ向った……辰五郎の仇を討った権兵衛が、千代の編んだ手袋をもって瓢然と去ったのは、それから数日後のことだ。
■解説
小説倶楽部所載の「激情」から「銭形平次捕物控 女狐屋敷」の小国英雄が脚本を書き、「永すぎた春」の田中重男が監督「ふるさとの灯台」の渡辺公夫が撮影した大映ビスタビジョン、大映カラーで描くアクション・ドラマ。主演は「妻こそわが命」の菅原謙二、「夜の蝶」の山本富士子、八潮悠子、川崎敬三、「誘惑からの脱出」の角梨枝子、「危険な英雄」の志村喬、「ふるさとの灯台」の北原義郎。ほかに倉田まゆみ、東山千栄子、村田知英子、見明凡太朗、岸輝子、清水元、石黒達也、佐々木孝丸など。
1957年9月3日 より
- 製作国:日本(1957)
■スタッフ
監督 | 田中重雄 (タナカシゲオ) |
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脚本 | 小国英雄 (Hideo Oguni) |
企画 | 米田治 (ヨネダオサム) |
製作 | 永田雅一 (Masaichi Nagata) |
撮影 | 渡辺公夫 (ワタナベキミオ) |
美術 | 柴田篤二 |
音楽 | 古関裕而 (コセキユウジ) |
録音 | 西井憲一 (ニシイケンイチ) |
照明 | 泉正蔵 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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菅原謙二 (スガワラケンジ) | 種ヶ島権兵衛 |
東山千栄子 (ヒガシヤマチエコ) | 玉子刀自 |
角梨枝子 (スミリエコ) | 千代 |
大滝重興 | 次郎 |
志村喬 (シムラタカシ) | 辰五郎 |
石黒達也 (イシグロタツヤ) | 小池 |
夏木章 (ナツキショウ) | 宮森 |
春本富士夫 (Fhujio Harumoto) | 金子 |
見明凡太朗 (Bontaro Miake) | 浪岡 |
佐々木孝丸 (ササキタカマル) | 大館 |
高松英郎 (Hideo Takamatsu) | 田代 |
川島祥二 (カワシマショウジ) | 追分川 |
中田勉 | アラシ |
志保京助 | 五郎八 |
清水元 (シミズゲン) | 山田 |
守田学 (モリタマナブ) | 関根 |
早川雄三 (ハヤカワユウゾウ) | 上州 |
小山内淳 | マイトの竜 |
津田駿二 (ツダシュンジ) | 真さん |
伊藤直保 (イトウナオヤス) | 穴熊 |
八潮悠子 (ヤシオユウコ) | お峰 |
倉田マユミ (クラタマユミ) | お歌 |
西川紀久子 (ニシカワキクコ) | 綾 |
花村泰子 (ハナムラヤスコ) | お澄 |
響令子 (ヒビキレイコ) | お幸 |
桜井喜美子 (サクライキミコ) | マリ |
山本富士子 (Yamamoto Fujiko) | 信子 |
川崎敬三 (カワサキケイゾウ) | 萩野 |
村田知栄子 (ムラタチエコ) | 八重子 |
鍵山寿子 (カギヤマトシコ) | テイ子 |
竹里光子 (タケサトミツコ) | 中里君子 |
小田桐桂子 (オダギリケイコ) | とも子 |
耕田久鯉子 | 鈴木宏子 |
楠よし子 (クスノキヨシコ) | 村会議員夫人 |
新宮信子 | 村会議員夫人 |
藍三千子 (アイミチコ) | 村会議員夫人 |
蔵方しげる (クラカタシゲル) | 猛 |
岸輝子 (キシテルコ) | おかね |
橘喜久子 (タチバナキクコ) | 「ちとせ」の女将 |
中条静夫 (チュウジョウシズオ) | 工夫 |
原田玄 (ハラダゲン) | 工夫 |
樋口登志子 (ヒグチトシコ) | 女給 |
星ひかる (ホシヒカル) | 「ちとせ」の客 |
小原利之 (オバラトシユキ) | 「ちとせ」の客 |