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作品詳細
「夢に罪あり」より 処女
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。長女の三津枝は亡父の跡を継いで女医、次女の千鶴は書店に勤めるサラリーガール、三女の由香は洋裁学校の生徒という女ばかりの江上家に、川伏待太郎という風変りな男が居候になった。彼は江上家の亡父の知己で、印度に真珠の研究に行っていたのだ。その彼は、ある日会社を辞めた退職金で江上医院にテレビを贈ると、下宿を探して飄然と引越して行った。その頃、千鶴は勤先の社長佐伯に、彼の友人の仏文学者間木との縁談をすすめられた。ある日、間木と千鶴は音楽会へ行くことになったが、遅れて来た間木は意外にも姉の三津子と一緒に会場に入って行った。実は、間木は三津子を見染めたのだが、佐伯の思い違いで千鶴と話が進められてしまったのだ。そのわけを知らない千鶴にはショックだった。会場からしょんぼり立去る彼女を、たまたま通りかかった松阿久一が呼止めた。彼女は捨鉢気味に彼と同行し、その夜はひどく酔った。かねてから千鶴に横恋慕していた久一は、この機会を逃さなかった。翌朝、温泉マークの一室で目覚めた千鶴は激しい後悔にさいなまれた。そして川伏の下宿を訪れ、家には帰れぬからここに置いてくれと泣き伏した。そんな彼女に、彼は以前から千鶴を愛しており、ここに下宿したのも彼女に会うのが苦しくなったためだ、と打明けた。一方、三女の由香には境六郎という公然の恋人がいた。彼は三津枝の戦死した愛人の弟であった。だが六郎は、由香とは別に、三津枝に対して強い憧れを抱いており、それが容れられぬと知ると、これも川伏に想いを寄せてかなわぬ、宝石デザイナーで、密輸団の手先由子と共に失踪した。だが、六郎の本当の心を知っている三津枝は、由香に思い当る箱根へ追わせた。そして、打ち沈んでいる千鶴には、愛情の尊さを説き、勇気づけて、彼女を川伏のいる信州へ発たせた。こうして、妹二人の幸せを見守りながら、姉の三津枝は間木の求婚も断わり、ひたすら医者の仕事に生きるのだった。
■解説
柴田錬三郎の原作『夢に罪あり』から「花は嘆かず(1957)」のコンビ田畠恒男が脚色・監督し、布戸章が撮影を担当した。主演は、東映をやめてこれがフリー第一回作品となる、松竹初出演の田代百合子、「嵐の中の抱擁 おもかげは遥かなり」の菅佐原英一、「赤城の血煙 国定忠治」の島崎雪子、「母と子の窓」の浅茅しのぶ、「わが胸に虹は消えず (二部作)」の上原謙、「異母兄弟」の中村賀津雄。ほかに、中川弘子、沢村貞子など。
1957年7月23日 より
- 製作国:日本(1957)
■スタッフ
監督 | 田畠恒男 (タバタツネオ) |
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脚色 | 田畠恒男 (タバタツネオ) |
原作 | 柴田錬三郎 (シバタレンザブロウ) |
企画 | 長島豊次郎 (ナガシマトヨジロウ) |
撮影 | 布戸章 |
美術 | 芳野尹孝 (ヨシノノブタカ) |
音楽 | 万城目正 (マンジョウメタダシ) |
録音 | 栗田周十郎 (クリタシュウジュウロウ) |
照明 | 田村晃雄 (タムラアキオ) |
編集 | 斎藤正夫 (サイトウマサオ) |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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浅茅しのぶ (アサジシノブ) | 江上三津枝 |
田代百合子 (タシロユリコ) | 江上千鶴 |
中川弘子 (ナカガワヒロコ) | 江上由香 |
菅佐原英一 (スガサワラエイイチ) | 川伏侍太郎 |
上原謙 (ウエハラケン) | 間木俊一郎 |
大関啓子 (オオゼキケイコ) | 間木ナナ子 |
島崎雪子 (シマザキユキコ) | 下曽我由子 |
沢村貞子 (サワムラサダコ) | 境里子 |
中村嘉葎雄 (Katsuo Nakamura) | 境六郎 |
十朱久雄 (Hisao Toake) | 佐伯文三 |
永井達郎 (ナガイタツオ) | 松河久一 |
水島光代 (ミズシマミツヨ) | お八重 |
春日千里 (カスガチサト) | 高木友子 |
大塚君代 (オオツカキミヨ) | 二村幸子 |
水木涼子 (ミズキリョウコ) | 黒田ゆき |
三田玲子 (ミタレイコ) | 坂田みどり |
沖妙子 (オキタエコ) | ヨッチン |
柴世津子 (シバセツコ) | ハットン |
御室蘭子 (ミムロランコ) | 守田 |
江間光括 (エマミツコ) | 下宿のお内儀 |
小林十九二 (コバヤシトクジ) | 湖畔ホテルの番頭 |
土紀就一 | 松河宝飾店支配人 |
藤田貢 (フジタミツグ) | サブやん |
土田桂司 (ツチダケイジ) | 船の事務長 |
南進一郎 (ミナミシンイチロウ) | 張 |