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作品詳細
最後の女達
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。一九四四年六月、米機動部隊はサイパン島に上陸を開始した。南洋製糖社員牧村は避難している妻淳子と二人の子供を求めて傷ついた身体をドンニーの洞窟へ運んだ。その時淳子の洞窟から去って行く原島軍曹の姿に、牧村は深い疑惑を覚えた。原島は抵抗する淳子をトラックの影に引きずり込んで暴力でおかしたのだ。淳子からすべてを告白された牧村は、その夜悲しみと怒りと憎しみの複雑な気持で淳子の身体を求めた。食糧狩の途中牧村は原島を見付け、軍刀で構える原島に迫るが、その時艦砲の一弾は倉庫に命中した。牧村は傷ついた原島を洞窟に運び、冷酷にも淳子に手当を命じた。戦況は悪化、島の北端マッピー岬に追いつめられた人々は次々と死んだ。傍らに横たわる栄子の姿に慾情を感じた牧村は、栄子を抱こうとするが、その犯し難い美しさに打たれ、人間らしい気持をとり戻し、盲目になった原島にも水を呑ませてやった。七月七日玉砕の布告が出され、婦女子は監視兵につきそわれ、マッピー岬から入水して行った。牧村の呼ぶ声に淳子は思わずかけ寄ろうとするが、監視兵に射殺された。七月八日生き残り二、三千名の斬込隊は最後のはかない抵抗に進発した。
■解説
左派社会党代議士下川議太郎の企画になる剣映プロ第一回作品で、篠塚吉太郎の“サイパン最後の女達”(主婦之友所載)、“サイパン最後の記録”(東和社版)をもとに「日の果て」の八木保太郎が構成し、「ママの日記」の北村勉がシナリオを書き、「箱根風雲録」(共同監督)の楠田清が監督している。出演者は「蟹工船」の河野秋武、「日の果て」の利根はる恵、信欣三、「花と波涛」の山内明などである。
1954年11月22日 より
- 製作国:日本(1954)
■スタッフ
演出 | 楠田清 (クスダキヨシ) |
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構成 | 八木保太郎 (ヤギヤスタロウ) |
脚本 | 北村勉 |
原作 | 篠塚吉太郎 |
企画 | 下川儀太郎 |
製作 | 若山一夫 (ワカヤマカズオ) 佐藤観次郎 |
撮影 | 仲沢半次郎 (ナカザワハンジロウ) |
美術 | 江口準次 (エグチジュンジ) |
照明 | 若月荒夫 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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河野秋武 (コウノアキタケ) | 牧村 |
利根はる恵 (トネハルエ) | 淳子 |
町田芳子 (マチダヨシコ) | 久美子 |
原田智子 (ハラダトモコ) | 香代子 |
山内明 (ヤマウチアキラ) | 原島軍曹 |
津村悠子 (ツムラユウコ) | 品枝 |
福地五郎 (フクチゴロウ) | 村神 |
中沢すみ江 (ナカザワスミエ) | 栄子 |
信欣三 (シンキンゾウ) | 吉田 |
忍節子 (シノブセツコ) | 常子 |
原泉 (ハラセン) | おかみ |
岡村千鶴子 (オカムラチヅコ) | 慰安婦 |
芦田伸介 (アシダシンスケ) | 猪熊中尉 |
三田国夫 (ミタクニオ) | 最高指揮官 |
松本平九郎 | 監視兵 |
島田屯 | 若い兵隊 |
木下ゆず子 (キノシタユズコ) | どこかの女房 |
小峰千代子 (コミネチヨコ) | カナカ族老婆 |