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作品詳細
仁侠八方破れ
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。渡世人“昇龍の政”こと政次は網代組の刺客として、野上組組長松蔵を斬った。昭和初期、夕陽にそまる大阪のある港町での出来事である。政次は松蔵の娘マキの結婚披露の席とは知らず斬り込んだことを深く後悔し、また網代の汚なさに腹を立てて大阪を去った。一方マキは結婚も解消され、心乱れる日々が続いたが、遂に父の仇をうとうと決心し昇竜の刺青を求めて旅発った。政次は東京で写真家華影のもとに弟子入りし、堅気の生活を送っていた。ある日政次は関東一円の親分衆の集まりで記念撮影を依頼されたが、不出来で怒った戸塚にその代償として華影館の立ち退きをせまられた。責任を感じて単身乗り込んだ政次と急を聞いてかけつけた華影に、戸塚は弁償金一万円を要求した。戸塚の悪の手は次第に華影や写真師たちに及び、意を決した政次はサイコロで片を付けようと戸塚に願い出た。そして戸塚家に身を寄せているマキが代人をつとめた。賽の目は政次の勝と出て、借金の証文は政次の手に渡った。しかしそれがニセと知って駆け戻った政次は、戸塚に乱暴されかけているマキを発見し助けた。証文も無事手に入った。政次はマキをかくまううちにいつしかマキを愛し始めていた。そんな政次は戸塚に殺害を頼まれた網代の刺客辰につきまとわれだした。そして政次は、彼に失望した華影に破門を言い渡された。政次は悲しかったが最後の仕事にとマキの肌を撮りたいと申し出た。やおら彼は昇竜の刺青を見せると自分の過去を告白し、体を張って華影館を守ることが最後の恩返しだと語った。マキは愛する人が父の仇と知って愕然としたが、政次の真剣さに打たれ、肌を見せるのだった。そんな時、戸塚のところへ交渉に行った華影が死体となって帰って来た。政次の憤怒の槍の穂は辰を、最後に戸塚を斬り下げた。マキも戸塚の刃に倒れ、政次の胸の中で事切れた。白白と明ける朝、政次は華影館を三平に託すとマキの面影を抱いて、警察の門をくぐって行った。
■解説
「刺青一代」の服部佳が脚本を執筆、「三匹の牝猫」の井田探が監督した仁侠もの。撮影は「俺にさわると危ないぜ」の永塚一栄が担当。
1966年10月22日 より
- 配給:日活
- 製作国:日本(1966)
■スタッフ
監督 | 井田探 (イダモトム) |
---|---|
脚本 | 服部佳 |
企画 | 友田二郎 (トモダジロウ) |
撮影 | 永塚一栄 (ナガツカカズエ) |
美術 | 柳生一夫 (ヤギュウカズオ) |
音楽 | 大森盛太郎 (オオモリセイタロウ) |
録音 | 宮永晋 |
照明 | 安藤真之助 (アンドウシンノスケ) |
編集 | 井上治 (イノウエオサム) |
スチル | 斎藤誠一 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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高橋英樹 (Hideki Takahashi) | 昇竜の政 |
野川由美子 (Nogawa Yumiko) | 野上マキ |
芦田伸介 (アシダシンスケ) | 木島華影 |
大木実 (オオキミノル) | オランダの辰 |
名古屋章 (ナゴヤアキラ) | 戸塚 |
菅井一郎 (スガイイチロウ) | 伝吉 |
左とん平 (ヒダリトンペイ) | 三平 |
山本陽子 (ヤマモトヨウコ) | 光子 |
鈴村益代 (スズムラマスヨ) | みね |
雪丘恵介 (ユキオカケイスケ) | 野上親分 |
宮阪将嘉 (ミヤサカマサヨシ) | 網代親分 |
玉村駿太郎 (タマムラシュンタロウ) | 子分一 |
荒井岩衛 | 子分二 |
平塚仁郎 | 浩司 |
久松洪介 (ヒサマツコウスケ) | 浩司の父 |
新井麗子 (アライレイコ) | 浩司の母 |
木浦佑三 (キウラユウゾウ) | 沼田 |
河野弘 (コウノヒロシ) | 新吉 |
山口吉弘 | 子分一 |
高橋明 (タカハシアキラ) | 子分二 |
弘松三郎 (ヒロマツサブロウ) | 庄太郎 |
鏑木はるな (カブラギハルナ) | 加代 |