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作品詳細
旗本やくざ(1966)
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。時は元禄、世は大平の華美に流れて幕府の財政は窮乏の一途をたどっていた。老中酒井丹波守は、米価の値上げをはかったが、江戸っ子たちがこれを不満として騒ぎだしたため、直参旗本赤柄組に取締を命じた。しかし威光を笠にきた赤柄組の評判は、日増しに非難の渦中におちた。頭を痛めた丹波守は直参旗本の取り潰しを考え、町奴と旗本を喧嘩させ、それを口実に取り潰そうと隠密を放った。折も折、芝居小屋で旗本と町奴の喧嘩があり、間に割って入った丁の目三次という遊び人が、機転を利かして旗本をやっつけた。口八丁手八挺の三次は町奴明神組一家に入り込み、その気ッぷと度胸を見込まれて兄貴株にまつりあげられていた。一方米間屋の駿河屋と手を組んでいる赤柄組は同じ問屋の松坂屋、伊勢屋を事あるごとにゆすり、あげくの果てに祭り一切を仕切ることになった。憤満やる方ない町奴らは三次を中心に祭りの神輿をぶんどって赤柄組の鼻をあかした。殺気立った赤柄組は、明神組の親分三左衛門と、松崎屋を家敷に呼びつけ、さんざん痛めつけた。町奴もいきり立って喧嘩仕度をし、いまや老中丹波の計画通り、町奴と旗本の対立は一触即発の危険な状態となった。そんな騒ぎの中心にいる三次に赤柄組の頭坂崎の妹美津は、いつか心ひかれていた。だがどこか影の宿る三次には、秘密があった。三次は丹波守に放たれた隠密で、実は旗本本多三次郎であった。ある夜美津が、兄の坂崎が三次の殺害を計っていると三次に知らせて来た。坂崎の家敷に向う三次に、やはり丹波守の命令で動く隠密駿河屋が美津を斬れと命じた。窮した三次は美津をつれ吉原のおいらん江戸紫のもとへ逃げた。手傷をおった駿河屋は坂崎の家敷に行くと、美津が三次に斬られたと偽の報告をした。坂崎をはじめとする赤柄組の面々は、明神境内に陣取った。一方明神組でも三次の帰りが遅いので、喧嘩仕度で明神境内に向った。駿河屋の報告から機は熟したとみた丹波守は捕方に明神神社を囲ませていた。二つの対立の間に入り、三次は互いに善人者揃いの人々を、なんとか傷つけまいと努力したが、その甲斐もなく全滅した。三次も手傷をうけた。丹波守の腹は、財政のためとは口実で、赤柄組を消し、町奴の勢力を押え、駿河屋と組んで日本の米相場を牛耳って暴利をむさぼるためだった。三次は丹波、駿河屋に近づくと、丹波に斬りつけた。お江戸八百八町に平和がよみがえり、三次と美津は旅に出た。
■解説
「北国の街」の倉本聰と「大阪ど根性物語 どえらい奴」の中島貞夫が共同でシナリオを執筆、中島貞夫が監督した。撮影は「日本侠客伝 血斗神田祭」の鷲尾元也。
1966年3月10日 より
- 配給:東映
- 製作国:日本(1966)
■スタッフ
監督 | 中島貞夫 (Sadao Nakajima) |
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脚本 | 倉本聰 (クラモトソウ) 中島貞夫 (Sadao Nakajima) |
企画 | 坂巻辰男 (サカマキタツオ) 新海竹介 |
撮影 | わし尾元也 (ワシオモトヤ) |
美術 | 塚本隆治 (ツカモトリュウジ) |
音楽 | 山本直純 (ヤマモトナオズミ) |
録音 | 野津裕男 |
照明 | 北口光三郎 |
編集 | 河合勝巳 (カワイカツミ) |
スチール | 中山健司 (ナカヤマケンジ) |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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大川橋蔵 (オオカワハシゾウ) | 丁の目の三次 |
千秋実 (チアキミノル) | 明神の三佐衛門 |
青島幸男 (アオシマユキオ) | たらしの頓兵衛 |
近藤洋介 (コンドウヨウスケ) | お囃子の長助 |
遠藤辰雄 (エンドウタツオ) | 雷の四郎五郎 |
大木実 (オオキミノル) | 松崎十兵衛 |
中村時之介 (ナカムラトキノスケ) | 常盤座の座頭 |
天王寺虎之助 (テンノウジトラノスケ) | 質屋の主人 |
浜田伸一 (ハマダシンイチ) | 松崎屋手代 |
蓑和田良太 (ミノワダ) | 与兵衛 |
源八郎 | 老町火消し |
可知靖之 (カチヤスユキ) | 井上 |
原田清人 | 遠山 |
島田景一郎 (シマダケイイチロウ) | 毛利 |
五十嵐義弘 (イガラシヨシヒロ) | 田口 |
三島雅夫 (ミシママサオ) | 酒井丹波守 |
金子信雄 (Nobuo Kaneko) | 駿河屋 |
内田朝雄 (Asao Uchida) | 松坂屋 |
片岡栄二郎 (Eijiro Kataoka) | 伊勢岸 |
富司純子 (Sumiko Fuji) | 美津 |
春川ますみ (Masumi Harukawa) | 江戸紫 |
岸本教子 (キシモトキョウコ) | 橘太夫 |
森美千代 (モリミチヨ) | 朝霧太夫 |
東龍子 (アズマリュウコ) | 朝霧楼の女将 |