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作品詳細
十七才は一度だけ
(原題:Sweet Seventeen)
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。秋田芙蓉高校では、近づいた修学旅行の話題でもちきりだった。田中加奈子も修学旅行を楽しみにしている一人だった。高校二年生の十七歳。街でも老舗の醤油醸造元田中屋の娘として、何の不自由もなく、いきいきとした青春時代だ。やがて修学旅行出発の日、加奈子は親友の路子が、父の失業がもとで、旅行を最後に東京で働こうと思っていること、そして、出来れば旅行先で就職口を見つけたいと相談され、加奈子は路子に協力を約束した。旅行も終りに近づき東京での自由行動の日、加奈子は路子との約束の場所、オリンピック公園に向ったが、途中電車をまちがえた加奈子は、赤い鳥かごを持った青年に親切に案内された。中井照吉と名乗るその青年の都会的センスのあふれる話しぶりに、加奈子の心は高鳴った。就職口決定の朗報を持ってやって来た路子と交代に、青年は電話をかけ終ると蒼白な顔でタクシーに乗って、二人から離れた。呆気にとられる加奈子の手にカナリヤの入った鳥かごを預けたまま。困惑した加奈子は、青年が近く秋田市役所完成記念に秋田を訪れると聞き、鳥かごを持ち帰った。旅行から帰った加奈子の沈みがちなようすに、心配した家族は一家全員で男鹿半島へドライブに誘った。約束の竿灯祭に中井の姿を捜した加奈子は、みつからぬまま、中井の幻想ばかり追う毎日であった。海の見える温泉に一泊した加奈子は、散歩に出た海で、海に向って大声をあげる青年に出会った。まちがいなく中井照吉だ。感激で胸がつまりそうな加奈子に中井は、妻が強度のノイローゼで静養に来ていることを話した。妻のトミ子に引き会わされ、うつろな表情を見た加奈子は、いたたまれず逃げるように走り出した。数日後、空に放たれたカナリヤをみつめる加奈子の顔は、明るくひとまわり成長したようであった。
■解説
石坂洋次郎原作“青い芽”より「続・高校三年生」の池田一朗が脚色「青い性(1964)」の井上芳夫が監督した青春もの。撮影はコンビの中川芳久。
1964年12月19日 より
- 配給:大映
- 製作国:日本(1964)
■スタッフ
監督 | 井上芳夫 (イノウエヨシオ) |
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脚色 | 池田一朗 (イケダイチロウ) |
原作 | 石坂洋次郎 (イシザカヨウジロウ) |
企画 | 久保寺生郎 (クボデライクオ) |
撮影 | 中川芳久 (ナカガワヨシヒサ) |
美術 | 間野重雄 (マノシゲオ) |
音楽 | 池野成 |
録音 | 須田武雄 (スダタケオ) |
照明 | 柴田恒吉 (シバタツネキチ) |
編集 | 中静達治 |
スチル | 柳沢英雄 |
特別出演 | 田宮二郎 (Jiro Tamiya) 本郷功次郎 (ホンゴウコウジロウ) |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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高田美和 (タカダミワ) | 田中加奈子 |
荒木道子 (アラキミチコ) | 田中とも子 |
船越英二 (フナコシエイジ) | 田中修吉 |
山下洵一郎 (ヤマシタジュンイチロウ) | 田中修平 |
小柳徹 (コヤナギトオル) | 田中修次 |
青山良彦 (アオヤマヨシヒコ) | 沢木光雄 |
伊藤孝雄 (イトウタカオ) | 中井照吉 |
田中三津子 (タナカミツコ) | トミ子 |
林千鶴 (ハヤシチヅル) | 川村路子 |
川澄節子 (カワズミセツコ) | 黒柳町子 |
渚まゆみ (ナギサマユミ) | 島田春子 |
三夏伸 | 山田剛 |
高橋昌也 (Masaya Takahashi) | 池島先生 |
豪健司 | 今泉先生 |
大西恭子 (オオニシキョウコ) | 恋人 |
見明凡太朗 (Bontaro Miake) | 社長 |
中条静夫 (チュウジョウシズオ) | 課長 |
沖良子 (オキ) | 受付 |
佐藤八郎 (サトウハチロウ) | 改札係 |
荒木康夫 (アラキヤスオ) | 不良学生A |
中原健 (ナカハラケン) | 不良学生B |
加波義三 (カナミヨシゾウ) | 不良学生C |
須藤恒子 (スドウツネコ) | トミ子の母 |