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作品詳細
十七才のこの胸に
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。鹿児島、開聞岳のふところで育った、旧家南郷家の一人息子、時彦と農家の娘、本田喜代子は大の仲よしだ。とはいうものの喜代子の母しづにとっては主筋に当る南郷家。さすがの喜代子も、両親のいる前では時彦を“坊っちゃん”と呼ぶ。そんな二人だが、学校では、常に成績の一、二を争う秀才。また喜代子の親友高木由美子は、胸の患いで池田湖畔の結核療養所に入院していた。ある日由美子を見舞った喜代子は「若い楽しい恋人二人をボートに乗せて湖の上に浮べてみたい」という由美子の願いを聞き、時彦を誘って早速、由美子のために夢の実現にとりかかった。お芝居とは知りながら、小さなボートの上で、二人の若い心は静かにふれ合った。しかし、そんなようすを、カメラ・マニアのクラスメート純子がフィルムにおさめていた。一方、ボートをおりた二人は夕立にあい、びしょぬれになって近くのバンガローにとびこみ、濡れた洋服をかわかした。フォト・ストーリー作りに夢中の純子はこの情景もフィルムにおさめた。が、数日後、得意になってバラまいた純子の写真が強喝常習犯宇佐美の手にわたってしまった。宇佐美は、その写真をネタに早速学校に乗りこんだ。担任の教師有川の機転で写真は取返したものの、学校は大混乱。遂に二人は不良学生として停学処分になった。喜代子は、東京に居る伯母をめあてに上京。時彦も、いたたまれずその後を追った。伯母の家を訪れた喜代子は“キズモノ”とののしられ、その足で東京の町にとび出し、サンドイッチマン、民謡酒場の歌手と職を転々とした。一方時彦もそんな喜代子を追ってラーメン屋に住込んだ。ある日喜代子は客のやくざにからまれホテルに連れこまれた。しかし必死の思いでかけつけた時彦と喜代子のいたいけな姿に胸をうたれたやくざは、そのまま帰っていった。二人の間に新しい愛情が芽ばえた。「好きだから別れることができる、それが僕たち十七歳の勇気なんだ」時彦は再び故郷鹿児島へ。喜代子は、東京でたくましく生き抜く決意を固めた。
■解説
「今日もわれ大空にあり」の須崎勝弥のオリジナル・シナリオを「夢のハワイで盆踊り」の鷹森立一が監督した青春もの。撮影は「散歩する霊柩車」の西川庄衛。
1964年11月14日 より
- 配給:東映
- 製作国:日本(1964)
■スタッフ
監督 | 鷹森立一 (タカモリリュウイチ) |
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脚本 | 須崎勝弥 (スザキカツヤ) |
企画 | 園田寅彦 (ソノダトラヒコ) |
撮影 | 西川庄衛 (ニシカワショウエ) |
美術 | 北川弘 (キタガワヒロシ) |
音楽 | 北原じゅん (キタハラジュン) |
録音 | 渡辺義夫 (ワタナベヨシオ) |
照明 | 桑名史郎 |
編集 | 長沢嘉樹 |
スチール | 加藤光男 (カトウミツオ) |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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西郷輝彦 (サイゴウテルヒコ) | 南郷時彦 |
本間千代子 (ホンマチヨコ) | 本田喜代子 |
長沢純 (ナガサワジュン) | 中丸三五郎 |
新井茂子 (アライシゲコ) | 井川純子 |
園まり (ソノマリ) | 高木由美子 |
沢村貞子 (サワムラサダコ) | 南郷昌子 |
笠置シヅ子 (カサギシヅコ) | 本田しづ |
関口守一 (セキグチモリカズ) | 本田武夫 |
菅野直行 (スガノナオユキ) | 本田富夫 |
小笠原良智 | 有川先生 |
沢彰謙 | 宇佐美吾郎 |
宇佐美淳也 (ウサミジュンヤ) | 黒川社長 |
安城百合子 (アンジョウユリコ) | みどり |
桧有子 (ヒノキユウコ) | 春江 |
佐々木伊都子 | 女生徒A |
辻岡道子 (ツジオカミチコ) | 女生徒B |
波島進 (ナミシマススム) | 羽島医師 |
丘寵児 | ラーメン屋親爺 |
須藤良 | 子分A |
菅原壮男 | 子分B |
内藤勝 (ナイトウマサル) | 校長 |