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作品詳細
空の下遠い夢
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。十七歳の夢を海外雄飛にかける石川は、得意のドラムでジャズ喫茶をかせぎまくって資金を貯めた。バンド仲間の応援と兄捷夫、フィアンセ伸子の大きな愛情も助けてくれた。そしてついに彼は英国の豪華客船チトラル号に乗り込むことが出来た。船の中は一つの外国であった。シンガポールに働きに行く山村少年、父が英国外交官で、その任地インドに一人旅する美しい少女真理。大の日本ビイキで観光旅行の帰りというジュマ氏など。意気投合した石川と山村の若いエネルギーは広い船内を駆けめぐり、なぜか憂いを含んだ真理の表情も次第にほぐれていった。船は元旦の香港へ碇泊。ルームボーイのリーに案内されて若い三人はドライブとしゃれこんだ。美しい海岸線、国境の彼方に浮かぶ中共本土、夢のような夜景、明るく弾む一同のかげにリー兄弟の悲しい別れがあった。両親が中共にいる兄弟は独力で生きなければならず、また数年は会えないのだ。船は進んで赤道直下のシンガポールへ着いた。山村は福田老人の経営する商社へ、真理らはホテルへ。翌日、石川は真理から意外なことを聞いた。彼女は英国籍だがみなし児で、このチャイナタウンでいまの父にひろわれたのだという。これを聞いた山村は、日本人墓地の中に彼女の母の墓があると二人をひっぱって行った。するとそこには花を供える福田の姿があった。みつめあった真理と福田は一瞬、ハッキリと父娘であることを認め合った。抱き合う二人を見て、石川も山村も泣いた。美しい夕やけ空の下、福田の家にはシンガポール在住の日本人たちが集って力強い歌声を響かせていた。出発の時が来た。再会を約してインドへ帰る真理、これから東南アジアをまわる石川、不屈の信念燃やす山村、リー……若い希望が世界をかけめぐっている。
■解説
「ひとりぼっちの二人だが」の熊井哲が脚本を執筆、「激しい河」の牛原陽一が監督した青春ドラマ。撮影は「危いことなら銭になる」の姫田真佐久。
1963年2月24日 より
- 配給:日活
- 製作国:日本(1963)
■スタッフ
監督 | 牛原陽一 (Yoichi Ushihara) |
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脚本 | 熊井啓 (Kei Kumai) |
企画 | 水の江瀧子 (ミズノエタキコ) 友田二郎 (トモダジロウ) |
撮影 | 姫田真佐久 (Shinsaku Himeda) |
美術 | 小池一美 (コイケカズミ) |
音楽 | 伊部晴美 (イベハルミ) |
録音 | 橋本文雄 (ハシモトフミオ) |
照明 | 岩木保夫 (イワキヤスオ) |
編集 | 辻井正則 (ツジイマサノリ) |
スチール | 浅石靖 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
---|---|
和田浩治 (ワダコウジ) | 石川 |
山内賢 (Ken Yamauchi) | 山村 |
杉山俊夫 (スギヤマトシオ) | リー・ピン |
藤村有弘 (Arihiro Fujimura) | ジュマ氏 |
和泉雅子 (イズミマサコ) | 真理 |
二谷英明 (Hideaki Nitani) | 捷夫 |
笹森礼子 (ササモリレイコ) | 伸子 |
桂小金治 (カツラコキンジ) | 石川の叔父 |
佐野浅夫 (サノアサオ) | チャン・シン |
榎木兵衛 (Hyoe Enoki) | ポン引A |
光沢でんすけ (ミツザワデンスケ) | ポン引B |
柴田新 | タクシーの運ちゃん |
木下雅弘 (キノシタマサヒロ) | 三ちゃん |
杉山元 (スギヤマゲン) | 次郎ちゃん |
フランク・赤木 | 歌手 |
柳瀬志郎 (ヤナセシロウ) | ダンスホール支配人 |
織田俊彦 (オダトシヒコ) | 仲間A |
石川恵一 (イシカワケイイチ) | 仲間B |
園田健夫 (ソノダタケオ) | 仲間C |
島本輝男 (シマモトテルオ) | 仲間D |
坂巻祥子 (サカマキショウコ) | 看護婦A |
長弘 (チョウヒロシ) | 警官 |