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作品詳細
ハイティーンやくざ
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。高校生吉野次郎の住む街には“競友クラブ”というやくざの組があって、乱暴を極めていた。次郎はそれが我慢できない。彼は幼い頃父を亡くし、母と姉の三人家族で、母が“ロビン”という喫茶店を経営していた。親友の芳夫と競輪場でアルバイトをしている次郎は、ある夜、せっかく働いて得た金を競友クラブのチンピラに奪われてしまった。二人は団結してやくざを向うに廻して闘おうと誓った。しかし、背後にある競友クラブの組織はとうてい次郎たちの敵ではなかった。とうとう或る日、芳夫はナイフで右足を刺されてしまった。不幸は重なった。芳夫の父が交通事故で亡くなったのだ。芳夫はその傷がもとでビッコになってしまった。競友クラブの幹部小林は、芳夫のひがみっぽくなった性質に乗じて、言葉巧みにクラブへ誘った。うっかりのった芳夫は、それから次郎をさけるようになった。それでも次郎は一人で闘った。町の商店街の人々はいつか次郎を頼りにするようになり、謝礼を次郎に届けるようになった。はじめは固く断り続けた次郎も、いつしかそれを受取るようになっていた。町では次郎が金を取って商店の用心棒になったと噂しはじめた。そんな頃、次郎は突然、刑事に連行された。恐喝容疑である。刑事の手には判が押された商店の証文があるのだ。新聞はハイティーンやくざの逮捕と騒いだが、ラーメン屋珍来軒の主人だけは次郎を信じていた。起訴猶予になって次郎は釈放された。次郎を待っていたのは町中の人の冷い眼差しであった。町の人達に裏切られたと思った次郎にはもはや以前の元気はなかった。競友クラブはあいかわらず暴力を振っていたが、やはり次郎が目ざわりだ。小林は芳夫を使って次郎を亡き者にしようと企み、芳夫に短刀を手渡した。珍来軒からこのことを聞いた次郎は芳夫を呼び出した。芳夫と次郎の対決は次郎が自分で自分の足にナイフをつき立てたことで終った。芳夫もそれをみてやっと非をさとった。芳夫は警察に行って競友クラブの悪事を残らず喋った。町に平和が返えるのは時間の問題である。
■解説
吉村望と奥園守が共同で脚本を執筆、「百万弗を叩き出せ」の鈴木清順が監督した青春ドラマ。撮影は「事件記者 影なき侵入者」の萩原憲治。
1962年6月20日 より
- 配給:日活
- 製作国:日本(1962)
■スタッフ
監督 | 鈴木清順 (Seijun Suzuki) |
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脚本 | 吉村望 (ヨシムラノゾミ) 奥園守 (オクゾノマモル) |
企画 | 友田二郎 (トモダジロウ) |
撮影 | 萩原憲治 (ハギワラケンジ) |
美術 | 千葉和彦 (チバカズヒコ) |
音楽 | 伊部晴美 (イベハルミ) |
録音 | 太田六敏 |
照明 | 熊谷秀夫 (クマガイヒデオ) |
編集 | 鈴木晃 (スズキアキラ) |
スチル | 萩野昇 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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川地民夫 (カワチタミオ) | 吉野次郎 |
初井言栄 (ハツイコトエ) | 吉野たき |
松本典子 (マツモトノリコ) | 吉野初子 |
杉山俊夫 (スギヤマトシオ) | 中川芳夫 |
松尾嘉代 (マツオカヨ) | 中川恵子 |
山田禅二 (ヤマダゼンジ) | 中川新造 |
原恵子 (ハラケイコ) | 中川松子 |
木浦佑三 (キウラユウゾウ) | 清原良介 |
佐野浅夫 (サノアサオ) | 後藤 |
田代みどり (タシロミドリ) | 和子 |
久松洪介 (ヒサマツコウスケ) | 野村 |
上野山功一 (ウエノヤマコウイチ) | 小林 |
市村博 (イチムラヒロシ) | 健 |
高緒弘志 | 昭一 |
林茂朗 (ハヤシシゲオ) | 進 |
柳瀬志郎 (ヤナセシロウ) | 小原 |
小泉郁之助 (コイズミイクノスケ) | 山田 |
亀山靖博 (カメヤマヤスヒロ) | 保 |
山本正明 (ヤマモトマサアキ) | 茂 |
伊達満 (ダテミツル伊達滿) | 食料品店主 |
横田陽子 (ヨコタヨウコ) | 茶屋の主人 |
金井克予 | 光子 |
榎木兵衛 (Hyoe Enoki) | 警官 |
高品格 (タカシナカク) | 刑事 |
土田義雄 (ツチダヨシオ) | 相模やの主人 |
山村亘 (ヤマムラワタル) | 店の客 |
雨宮節子 (アマミヤセツコ) | バー・ロリアンのマダム |