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作品詳細
残酷な月
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。昭和新聞の記者杉公太郎は、白木波恵との婚約の許可を得るため波恵の父を山中温泉に訪れた。東山荘の経営者である波恵の父は快く承諾し、杉は有頂天になった。その頃、杉はあることに興味を持ち始めた。それと云うのは、時々行くバーしろがねのマダム和子が波恵と瓜二つであることと、和子が山中温泉で杉と出会ったのに頑強に否定したことだ。何かあるとにらんだ杉は和子の身元を洗った。調べにより、和子が大矢根組に関係深い金融業者依田京太郎と一年程前心中未遂をしたことが判明した。ある日、波恵と落ち合ったレストランで、男と睦まじく語り合う和子を見た。その男、会田は翌日何者かに殺害された。杉は事件の追求に乗り出した。だが犯人は黒服の三十歳前後の男ということしか解らなかった。一方、杉の同僚曽根は、大矢根組へさぐりを入れた。杉は和子に目をつけ何かと彼女につきまとったが、和子はそんな杉に次第に心をひかれるようになった。やがて、杉は和子が波恵の父と女中スエとの間に生まれた私生児であることをつきとめた。そのことを知った波恵は激しい衝撃をうけた。さらに和子と杉の関係に疑いを持ちはじめた波恵の心は、次第に杉から離れて行った。そんな時突然和子が失踪した。間もなく杉は和子が熱海で投身自殺未遂をしたと言う記事を新聞で読んだ。杉の新聞記者根性はますます燃え上がった。波恵がこれ以上和子のことに関わらないでくれと頼むのも聞かず、杉は和子をさがし歩いた。やがて杉は横浜に隠れていた和子を誘い出すことに成功した。和子も今はすべてを告白した。杉との山中温泉での出会いを否定したのは自分の身分を隠すため、依田京太郎との心中未遂は彼に対する復讐から、会田との関係は大矢板組に脅迫の材料を提供するための媚態だという。そして会田殺しの犯人は和子の情夫であることが判明した。杉、曽根、和子の三人は直ちに高橋のいる安宿へ乗り込んだ。高橋と取っ組む杉。その時、高橋のピストルが暴発し和子は死んだ。事件は解決した。が、和子を失い波恵の心まで失った杉は、ひしひしと孤独の感情におそわれるのだった。
■解説
“婦人生活”に連載された菊村到原作同名小説を「姿なき追跡者」の秋元隆太が脚色。「石松社員は男でござる」の飯塚増一が監督したミステリーもの。撮影は「次郎長社長と石松社員 威風堂々」の高梨昇。
1962年5月27日 より
- 配給:東映
- 製作国:日本(1962)
■スタッフ
監督 | 飯塚増一 (イイヅカマスイチ) |
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脚色 | 秋元隆太 (アキモトリュウタ) |
原作 | 菊村到 |
企画 | 根津昇 (ネヅノボル) 吉田達 (ヨシダトオル) |
撮影 | 高梨昇 (タカナシノボル) |
美術 | 森幹男 (モリミキオ) |
音楽 | 河辺公一 |
録音 | 小松忠之 (コマツタダユキ) |
照明 | 銀屋謙蔵 (ギンヤケンゾウ) |
編集 | 田中修 |
スチル | 山守勇 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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丹波哲郎 (Tetsuro Tanba) | 杉公太郎 |
三田佳子 (Yoshiko Mita) | 白木波恵 |
三田佳子 (Yoshiko Mita) | 増田和子 |
神山繁 (Shigeru Koyama) | 曽根達彦 |
江原真二郎 (エバラシンジロウ) | 高橋安太 |
松本克平 (マツモトカッペイ) | 白木豊 |
不忍郷子 | 白木富子 |
今井健二 (イマイケンジ) | 小栗 |
永田靖 (ナガタヤスシ) | 菊地 |
河野秋武 (コウノアキタケ) | 津田 |
佐藤晟也 (サトウセイヤ) | 坂上 |
田川恒夫 (タガワツネオ) | 岡田 |
千葉真一 (Sonny Chiba) | 正木 |
沢彰謙 | 捜査本部主任 |
増田順司 (マスダジュンジ) | 会田 |
春日俊二 (カスガシュンジ) | 大矢根 |
曽根晴美 (ソネハルミ) | 城山 |
渡辺淳二 (ワタナベジュンジ) | チンピラA |
滝川潤 (タキガワジュン) | チンピラB |
室田日出男 (ムロタヒデオ) | チンピラC |
小林裕子 (コバヤシユウコ) | 三重子 |
谷本小夜子 (タニモトサヨコ) | アパートの母親 |