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作品詳細
蝙蝠屋敷
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。江戸市中を荒し廻る怪盗花蝙蝠の菊太郎は、ある夜、江戸有数の大身代武蔵屋に忍びこんだ。そこでは、盲目の女主人おちかが親族代表につめ寄られ、妾腹のお光を養女とし、彼女に養子を迎えて身代を相続させることに同意させられていた。しかし、おちかが二十年前に迷子とした、息子清吉が後、一月の間に探し出すことができなかったならという条件つきである。菊太郎は相棒のあざみのおもんと相談の結果、武蔵屋身代乗取りのため大芝居をうつことになった。武蔵屋出入りの植木職の親方に連れられて、菊太郎は清吉として武蔵屋に乗りこんだ。後見人の鳴海屋太兵衛は信じられぬと強硬に反対したが、おちかが菊太郎の顔、体を手探りで撫で廻しながら息子の清吉に間違いないと断言した。次の日から清吉はまめまめしく働いた。お光も清吉を兄として慕ってくれた。おちかはもう、清吉、清吉と、大変な喜びようで、菊太郎に愛情をそそいでいた。菊太郎は夜になると、せっせと金の持出しにつとめた。万一正体がばれた時にそなえてだった。或る夜、菊太郎は、匕首を持った二人に襲われた。菊太郎は巧みに二人をまいて逃げ、逆に彼等の後をつけた。二人は太兵衛の廻し者だった。太兵衛は武蔵屋の身代を狙っていたのだ。お光に息子の与市をと考えていたのだが、菊太郎に対するお光の態度から、与市がいくらお光を口説いてもモノにならないと考え、菊太郎を消しにかかったのだ。菊太郎は、武蔵屋の身代を狙う自分以外の奴に対する男の意地からそしてやがて、善人の仮面を被った極悪人に対する怒りから、又、仏のようなおちかの真の愛情に対する罪の償いにもと、鳴海屋一派の策謀に敢然と挑戦する決意を固めた。しかし、菊太郎の花蝙蝠の刺青を、与市にみられたため、菊太郎は御用の十手に追われることになった。鳴海屋はここぞと、与市とお光の縁組を強要した。−−今まさに一組の若夫婦がつくられようとした時、菊太郎が現われて鳴海屋の悪事をあばいた。これまでと鳴海屋は短筒を菊太郎にぶっ放したが、おもんが身代りとなって倒れた。裁きの場に引かれる菊太郎を、おちかとお光がいつまでも見送っていた。
■解説
「寄切り若様」の吉田哲郎のオリジナルシナリオをコンビの弘津三男が監督した怪盗篇。撮影は「潮来笠」の牧浦地志。
1961年11月29日 より
- 配給:大映
- 製作国:日本(1961)
■スタッフ
監督 | 弘津三男 (Mitsuo Hirotsu) |
---|---|
脚本 | 吉田哲郎 (ヨシダテツオ) |
企画 | 財前定生 |
撮影 | 牧浦地志 |
美術 | 神田孝一郎 (カンダコウイチロウ) |
音楽 | 小沢秀夫 (オザワヒデオ) |
録音 | 長岡栄 (ナガオカサカエ) |
照明 | 岡本健一 (Kenichi Okamoto) |
編集 | 菅沼完二 (スガヌマカンジ) |
スチル | 浅田延之助 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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成田純一郎 (ナリタジュンイチロウ) | 花蝙蝠の菊太郎 |
小桜純子 (コザクラジュンコ) | お光 |
真城千都世 (マキチトセ) | おもん |
浦辺粂子 (ウラベクメコ) | おちか |
高倉一郎 (タカクライチロウ) | 与市 |
東良之助 (アズマリョウノスケ) | 上州屋儀助 |
天野一郎 (アマノイチロウ) | 伊豆屋半右衛門 |
尾上栄五郎 (オノエエイゴロウ) | 万五郎 |
寺島雄作 (テラシマユウサク) | 植辰 |
市川謹也 (イチカワキンヤ) | 幸吉 |
玉置一恵 (タマキカズエ) | 相模屋彦兵衛 |
深見泰三 (フカミタイゾウ) | 鳴海屋太兵衛 |
丸凡太 | 久六 |
桜井勇 (サクライイサム) | 虎松 |
加賀美健一 (カガミケンイチ) | ゴロン捧A |
志賀明 (シガアキラ) | 仙太 |
滝川潔 (タキガワキヨシ) | 宇之吉 |
渡辺満男 (ワタナベミツオ) | 掏摸 |
西岡弘善 (ニシオカヒロヨシ) | ゴロン榛B |
竹谷俊彦 | ゴロン捧C |
大井由貴子 (オオイユキコ) | お竹 |
谷口和子 (タニグチカズコ) | お松 |
白木和子 (シラキカズコ) | お花 |
東山京子 (ヒガシヤマキョウコ) | お梅 |