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作品詳細

  • 朝霧(1968)

 

■ストーリー

※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

由紀と恭子の母娘は、久しぶりに郷里の福井に帰ってきた。由紀の夫は、越前銀行頭取坂井謙造の息子だったが、二人の間に恭子が生まれた時、結婚を許さぬ謙造は強引に恭子を奪おうとした。由紀はそのため東京にのがれ、自活していたが息子の恭一が戦争で死んでから謙造の怒りもとけて、帰ってきたのだった。それでも由紀は、謙造に頼らず、友人孝代の世話で、市内で洋裁店を営み、恭子は、かねてより念願の看護婦として県立病院で働くことになった。謙造は、せめて恭子だけでも豪荘な自分の邸に住んでくれるよう頼んだが、母想いの彼女は明るく断わった。恭子の病院生活は楽しく、一緒に無医村を廻っている青年医師沢村耕次に次第に魅かれていった。そして、公害と無医村の多い四日市潮田診療所へ応援に行った時、そこで精力的に働く潮田の姿に胸をうたれた。その頃由紀は、東京時代の命の恩人広田洋平の訪問を受けた。しかし、平田は、今はおちぶれて破産寸前の織物工場をやっており、謙造に何とか融資の口をきいてほしい気持らしかった。数日後、由紀は、病院で気管支に悪性の病気があることを告げられた。もともと体が弱い上に、無理がたたったのだ。もう長いことはないかもしれないと思った由紀は、広田の求愛に応じる気になれなかった。一方、耕次のもとにかつての恋人勢津子が、大学病院の研究所入りの話を持ってきたが、潮田の仕事を手伝う決心をした彼は断わった。広田の工場はついに倒産した。ショックを受けた由紀は、病室をぬけだし、雪の中をその工場にかけつけて倒れた。そのため病状は急激に悪化した。恭子は、一目広田に逢わせようと、必死に彼を捜したが、どこにも彼の姿はなかった。その間、由紀は、謙造に見守られながら静かに死んでいった。せきを切ったように泣きだす恭子。葬式の日、広田は、一切を清算して東京で新しい生活をひらくと、恭子に別れを告げた。耕次は、病院をやめ、潮田の手助けをするため四日市へ行ってしまった。恭子の胸に新しい決意の炎が燃え始めた。彼女は、それを謙造に話すと、自分の意志と愛を貫くべく、耕次のいる四日市へと、ひとりで旅立っていった。



■解説

母一人、娘一人の家庭の中で、思春期から大人に成長しようとしている娘の姿と、母との心の交流を雪の福井、東尋坊など、日本海側の厳しい自然を背景に描く。脚本は柏倉敏之と「私は泣かない」「終りなき生命を」の吉田憲二。監督も吉田憲二。昭和四三年作品。撮影は「極楽坊主」の横山実がそれぞれ担当。

  • 1971年9月18日 より

  • 配給:ダイニチ映配
  • 製作国:日本(1968)

■スタッフ

監督 吉田憲二 (ヨシダケンジ)
脚本 柏倉敏行 吉田憲二 (ヨシダケンジ)
企画 大塚和 (オオツカカノ) 堀江喜一郎 (ホリエキイチロウ)
撮影 横山実 (ヨコヤマミノル)
美術 坂口武玄
音楽 小杉太一郎 (コスギタイチロウ)
録音 古山恒夫 (フルヤマツネオ)
照明 吉田一夫 (ヨシダカズオ)
助監督 加藤彰 (カトウアキラ)
スチール 寺本正一 (テラモトショウイチ)

■キャスト

俳優名 役名
和泉雅子 (イズミマサコ)  坂井恭子
八千草薫 (Yachigusa Kaoru)  坂井由紀
柳永二郎 (ヤナギエイジロウ)  坂井謙造
山根久幸 (ヤマネヒサユキ)  坂井恭一
杉良太郎 (スギリョウタロウ)  沢村耕次
宇野重吉 (Jukichi Uno)  広田洋平
梶芽衣子 (Kaji Meiko)  広田夏子
磯部玉枝 (イソベタマエ)  木下勢津子
佐々木すみ江 (ササキスミエ)  根岸孝代
鈴木瑞穂 (Mizuho Suzuki)  潮田肇
森みどり (モリミドリ)  林正子
瞳美沙   三沢アキ
鈴村益代 (スズムラマスヨ)  よね
下條正巳 (シモジョウマサミ)  内科医長
佐藤サト子 (サトウサトコ)  時枝
英原穣二   塩村医師
日野道夫 (ヒノミチオ)  由紀の父親
紀原土耕   留吉
阿部玲子 (アベレイコ)  安子
清水千代子 (シミズチヨコ)  坂井家の女中
高山千草 (タカヤマチグサ)  由紀の母
露木護 (ツユキマモル)  謙造の秘書
橘田良江   看護婦
渡辺智子 (ワタナベトモコ)  看護婦
奈良岡朋子 (Naraoka Tomoko)  潮田久子
澄川透 (スミカワトオル)  中年の男
小柴隆 (コシバタカシ)  藤枝
高田栄子 (タカダエイコ)  下宿のおばさん

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