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作品詳細
温泉こんにゃく芸者
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。珠枝はこんにゃく屋の徳助に育てられた孤児であった。不能者の徳助は、同じ悩みに苦しむ男たちを救済するためと称して、性具の研究に余念がなかった。珠枝はそんな徳助の面倒をみていたが、勤めていた避妊具工場が倒産、一時しのぎの金をつくるため、片山津温泉へやってきた。その日、珠枝は退職金代りに貰った避妊具を売りに入った、ヌード・スタジオで店主の荒川にあっさり体を与えた。置屋の女将満子は、そんな珠枝をインスタント芸者に仕立て上げた。最初の客は水源寺の了賢和尚であった。そしてミミズ千匹にめぐり会ったという了賢の感激話はパッと広まった。徳助が珠枝と一緒に生活を始めたのもその頃だった。やがて珠枝は製薬会社々長の田中作兵衛という男に身請けされた。だが、まもなく作兵衛は徳助が生涯の夢をかけて瀟洒な妾宅に作った、こんにゃく風呂の中で転倒し、あっけなく世を去った。一方、どうしたことか徳助の男が二十五年ぶりによみがえった。そして、徳助は隣室のツタ子と恋におちた。結婚話まで決めこんだ二人にとっての障害は、ツタ子のヒモ、池永への慰謝料と所帯資金であった。その頃、名器の持ち主としての珠枝の評判は、日本中に広まっていた。日本各地から芸者スカウトが殺到し、札束をつんだ。なかでも、大きく出たのが五百万円もの移籍料をつんだ関西の西川だった。徳助は珠枝に、最後の頼みと頭を下げた。珠枝は西川に蒲団の上での勝負を挑んだ。精力くらべである。一対一の三本目、やがて、「勝負ありました」と立会人満子の声と共に、西川が口笛を吹きながら、姿をあらわした。だが次の一瞬、その体は音をたてて崩れ落ちた。身を案じて部屋に馳けこんだ徳助とツタ子に珠枝は、ニッコリと微笑んだ。
■解説
「戦後秘話 宝石略奪」の中島貞夫が描く軽妙なセックス喜劇。脚本は「三匹の牝蜂」の掛札昌裕と「戦後秘話 宝石略奪」の中島貞夫、金子武郎の共作。撮影は「博奕打ち 流れ者」の鈴木重平が担当。
1970年8月14日 より
- 配給:東映
- 製作国:日本(1970)
■スタッフ
監督 | 中島貞夫 (Sadao Nakajima) |
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脚本 | 掛札昌裕 (カケフダマサヒロ) 金子武郎 中島貞夫 (Sadao Nakajima) |
企画 | 岡田茂 (Shigeru Okada) 天尾完次 (アマオカンジ) |
撮影 | 鈴木重平 |
美術 | 石原昭 (イシハラアキラ) |
音楽 | 広瀬健次郎 (Kenjiro Hirose) |
録音 | 溝口正義 (ミゾグチマサヨシ) |
照明 | 金子凱美 |
編集 | 神田忠男 (カンダタダオ) |
スチール | 藤本武 (フジモトタケシ) |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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女屋実和子 (オナヤミワコ) | 珠枝 |
安城由貴 (アンジョウユキ) | 秀奴 |
松井康子 (マツイヤスコ) | ツタ子 |
榊浩子 | 小鞠 |
片山由美子 (カタヤマユミコ) | 君奴 |
英美枝 (ハナブサミエ) | 歌江 |
高木恵子 (タカギケイコ) | もみじ |
葵三津子 (アオイミツコ) | 花蝶 |
川村依久子 (カワムライクコ) | 金太郎 |
桜京美 (サクラキョウミ) | かえる |
殿山泰司 (Taiji Tonoyama) | 小諸徳助 |
小池朝雄 (Asao Koike) | 池永 |
荒木一郎 (Ichiro Araki) | 荒川 |
武智豊子 (Toyoko Takeche) | 満子 |
小松方正 (コマツホウセイ) | 西川 |
広瀬義宣 (ヒロセヨシノブ) | 種ケ島 |
千葉敏夫 (チバトシオ) | 大橋 |
上田吉二郎 (ウエダキチジロウ) | 田中作兵衛 |
菅井きん (スガイキン) | とら |
八尋洋 | 竹田正男 |
土方巽 (ヒジカタタツミ) | 小野 |
広野みどり (ヒロノミドリ) | 日の丸楼の女将 |
大泉滉 (オオイズミアキラ) | 川上社長 |
鈴木金哉 | 温泉街の客A |
宍戸大全 (シシドダイゼン) | 温泉街の客B |
蓑和田良太 (ミノワダ) | トラックの運転手 |
田中小実昌 | 了賢 |
北見唯一 | 長田社長 |
石橋蓮司 (Renji Ishibashi) | 小川 |
岡島艶子 (オカジマツヤコ) | 農家の老婆 |
常田富士男 (トキタフジオ) | 増田 |
唐沢民賢 (カラサワミンケン) | 番頭 |
牧淳子 (マキジュンコ) | 女中頭 |
加納真弓 (カノウマユミ) | 珠枝の少女時代 |