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作品詳細
夕暮まで
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。小説家の佐々は、みえ子の誘いで若い人達のパーティに出向き、そこで、杉子と祐子という美しい若い女性を紹介される。杉子に興味を抱いた佐々に「あの子ヴァージンよ。まっ白いウェディングドレスを着て結婚式をあげたいというのが口癖」と祐子が囁いた。「杉子は食いしん坊」という祐子の言葉に、佐々は杉子を食事に誘った。こうして二人はつき合うようになった。パーティの帰り、佐々は杉子を高級レストランに連れていった。それ以来、土曜の夜は、高級寿司屋、フランス料理屋、中華料理屋と二人の食べ歩きが続く。食事のあと、佐々は杉子をラブホテルに連れ込むが、彼女は決して身をまかそうとしない。二人のつきあいは一年経っても変らず、杉子は依然処女で、佐々はこんな関係を楽しんでいた。しかし、杉子には岡田というガソリンスタンドで働く男友達がいた。その岡田が、突然、姿を消した。佐々は杉子のかすかな変化に影の男がいることを察知していた。ある日、杉子はあっさり体を開いた。杉子は処女ではなかった。影の男が彼女をうばったのだろうか。数日後、祐子から佐々に電話が入った。杉子がガス自殺をはかり、未遂に終った。祐子は杉子を連れて、数日間、旅行に出ると云う。暫くして、旅行から帰った祐子から「杉子が佐々に会いたがっている」と電話が入った。佐々は、二人のつき合いも、ここらで幕を引く時だろうと思った。いつものホテルのロビーで二人は会い、いつものように鳥料理屋に行った。杉子の食欲は相変らず旺盛であった。食後、佐々は杉子を車で送った。ここで別れよう、と佐々は杉子をうながしたが、杉子は降りようとしない。降ろしたら奥さんに電話するわ。江守杉子が死にましたって。佐々はドアのロックをはずした。杉子は動かない。彼女の頬に一筋の涙が光っていた。
■解説
一緒に寝ても、体を開こうとしない若い女と、中年の作家の関係を描く吉行淳之介の同名の小説の映画化で、脚本は浜地一郎と田辺泰志の共同執筆、監督は「原子力戦争 Lost Love」の黒木和雄、撮影は鈴木達夫がそれぞれ担当。
1980年9月20日 より
- 配給:東宝
- 製作国:日本(1980)
■スタッフ
監督 | 黒木和雄 (Kazuo Kuroki) |
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脚本 | 浜地一郎 田辺泰志 (タナベヤスシ) |
原作 | 吉行淳之介 (ヨシユキジュンノスケ) |
企画 | 大塚和 (オオツカカノ) 横井潤一 (ヨコイジュンイチ) 前田勝弘 (マエダカツヒロ) |
製作 | 三浦波夫 (ミウラナミオ) |
プロデューサー | 中田新一 (ナカダシンイチ) |
撮影 | 鈴木達夫 (Tatsuo Suzuki) |
美術 | 山下宏 (ヤマシタヒロシ) 内田欣哉 (ウチダキンヤ) |
音楽 | 荒木一郎 (Ichiro Araki) |
録音 | 加藤一郎 (カトウイチロウ) |
照明 | 伴野功 (バンノイサオ) |
編集 | 鈴木晄 (スズキアキラ) |
助監督 | 内藤忠司 (Tadashi Naito) |
スチール | 藤沢俊夫 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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桃井かおり (Momoi Kaori) | 江守杉子 |
伊丹十三 (Juzo Itami) | 佐々 |
加賀まりこ (Kaga Mariko) | 祐子 |
山口美也子 (ヤマグチミヤコ) | みえ子 |
馬渕晴子 (マブチハルコ) | 園子 |
風間杜夫 (Morio Kazama) | 岡田 |
大橋芳枝 (オオハシヨシエ) | 佐々の妻 |
柿崎澄子 (カキザキスミコ) | 佐々の娘・直子 |
今村薫 | オートバイの男 |
中丸信 | スナックの若い男 |
福原秀雄 (フクハラヒデオ) | 中年の警官 |
江藤潤 (エトウジュン) | 若い警官 |
殿山泰司 (Taiji Tonoyama) | 洋食屋の親父 |
戸川暁子 | 洋食屋のおばさん |
三戸部スエ (ミトベスエ) | 酒屋の中年女 |
鳥居浩一 (トリイコウイチ) | 岡田の同僚 |
川口啓史 | 雑誌記者 |
石橋蓮司 (Renji Ishibashi) | ホテルの見知らぬ男 |
比呂みさこ | バスの車掌 |
田辺年秋 (タナベトシアキ) | みえ子の男 |
原田芳雄 (Yoshio Harada) | 鳥料理屋の主人 |
小川亜佐美 (オガワアサミ) | パーティの客 |
湯沢勉 | パーティの客 |
鈴木信之 (スズキノブユキ) | パーティの客 |
町田祐子 (マチダユウコ) | バスの乗客 |