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作品詳細
火の鳥2772 愛のコスモゾーン
(原題:Space Firebird)
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。地球は統一された地球連邦のもとに管理され、人間たちは人口過剰を防止するために限られた人数だけ試験管ベビーとして育てられ、それぞれの将来の仕事や役割に応じた専門教育がほどこされていた。育児ロボット、オルガに育てられたゴドーも宇宙ハンターとして生きることが最初から運命づけられていた。その頃、政治センターでは、エネルギー不足を補うために人工的に火山爆発を起こさせる地熱発電を開発していたため地球はかなり危険な状態にあった。その危険を、誰よりも正確にキャッチしていた政治センターのロック・クロック長官は、自分の生命をまっとうしようと考え、不老不死の力を持つ体液を内包しているといわれる未確認宇宙物体ナンバー2772の宇宙鳥をなんとか手に入れようとしていた。そしてロックは宇宙ハンターとして抜群の技量を持つゴトーに宇宙鳥の生け捕りを命じた。一方、ゴドーは、その頃ロックの許婚者であるレナと恋仲にあり、ロボットのオルガはその事実に心を痛めていた。宇宙ハンターは恋を禁じられており、ゴドーは逮補され労働キャンプに追放されてしまう。彼はそこで、政府に批判的な言動で追放された大学者のサルタと出逢った。意気投合した二人はオルガの助けで脱出に成功、伝説の鳥を求めて、宇宙へ飛び立っていった。そして三人は、長い航海の末、遂に宇宙鳥を発見。宇宙鳥との血みどろな戦いが始まる。しかし、それは、彼らが想像もしなかった恐しい力を持つ怪物であった。サルタは宇宙鳥の火に焼かれて凄絶な悶死、オルガもロボットの機能を失う。そのときになって、はじめてオルガへの愛を自覚するゴドー。燃える炎の中で必死にオルガの修理をしていると、奇跡が起こった。宇宙鳥が姿を消してしまったのだ。そして宇宙鳥の声がどこからともなく聞こえ、ゴドーは、宇宙も地球も生きていることを教わる。その頃、地球は刻一刻と滅亡のときを迎えようとしていた。ゴドーは地球をもとの緑あふれる星に蘇らせるべく、戻る決心をする。ゴドーとオルガが地球に帰ったとき、そこは大爆発を繰り返し、崩壊寸前であった。宇宙鳥を渡せとロックはゴドーに迫る。人々は逃げまどい、地に伏し、大混乱のなか、ゴドーとロックは死んでいった。その時、渦巻いていた海がしずまり、ガスを噴き出していた大地の裂け目がガスを止め、火山の煙もなくなった。空には星のまたたきが見える。南海の小鳥の砂浜を、ゴドーの亡骸を抱いたオルガが歩んでいる。ゴドーを砂の上に横たえると、オルガも傍に寝ころぶ。やがて、オルガの身体から光が出て、光の玉となり、翼がはえて、空高く舞い上がってゆく。砂浜に横たわるゴドーとオルガ、ゆっくりと寄せては返す波……時が経って、ゴドーは赤ん坊に、オルガは人間になっていた。
■解説
昭和二十九年の連載開始以来、発表誌を移しなが、生命とは何かという人間の根源的なテーマを描いて、今なお連載中の手塚治虫のライフワークといわれる同名の原作の映画化。この作品は今までに発表された原作の映画化ではなく、映画用に書き下したオリジナルである。脚本は手塚治虫とテレビアニメを中心に活動してきた杉山卓の共同執筆、総監督に手塚治虫、監督は杉山卓、撮影は八巻磐がそれぞれ担当。
1980年3月15日 より
- 配給:東宝
- 製作国:日本(1980)
■スタッフ
総監督 | 手塚治虫 (テヅカオサム) |
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監督 | 杉山卓 (Taku Sugiyama) |
構成 | 手塚治虫 (テヅカオサム) |
脚本 | 手塚治虫 (テヅカオサム) 杉山卓 (Taku Sugiyama) |
原作 | 手塚治虫 (テヅカオサム) |
製作 | 市川喜一 明田川進 |
レイアウト | 湖川友謙 (コガワトモノリ) |
メカニカルデザイン | 御厨さと美 (ミクリヤサトミ) |
撮影 | 八巻磐 (Iwao Yamaki) |
美術 | 松本強 伊藤信治 (イトウ) |
音楽 | 樋口康雄 (ヒグチヤスオ) |
録音 | 宮本隆 (ミヤモトタカシ) |
効果 | イシダ・サウンド |
編集 | 井上和夫 (イノウエカズオ) |
出演(声) | 塩沢兼人 (シオザワカネト) 三輪勝恵 (ミワカツエ) 池田秀一 (イケダシュウイチ) 藤田淑子 (Yoshiko Fujita) 竹下景子 (Takeshita Keiko) 伊武雅刀 (Masato Ibu) 熊倉一雄 (Kazuo Kumakura) 久松保夫 (ヒサマツヤスオ) 森山周一郎 (モリヤマシュウイチロウ) 小林修 (Osamu Kobayashi) 大塚周夫 (Chikao Ohtsuka) |