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作品詳細
兎の眼
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。小谷芙美は阪神工業地帯の一角の、そばにゴミ処理場のある姫松小学校の先生になった。彼女のクラスにも、鉄三をはじめ、処理場で働く人の子供が何人かいる。鉄三は他の生徒とは一言も口を交わさず、ハエを大切に飼っている不思議な少年だ。ある日、そのハエをカエルのえさにしてしまった生徒を鉄三は怪我をさせてしまう。芙美が理由を聞いても鉄三は口を開かなかった。衛生にも良くないので、ハエを飼うことをやめさせようと、芙美は鉄三の面倒を見ているパクじいさんを訪ねると、「鉄三は小さな生きものにはとても優しい、しかし、ここには小鳥もメダカもいないんです」という話で、芙美は何も答えられなかった。彼女のクラスには情緒障害児のみな子もいた。学校ではみな子を養護学校に入れようという声が多かったが、「もう少し長い目で……」という芙美の意見が通り、クラスの仲間でみな子の面倒をみる“みな子当番”をスタートした。ある日、芙美が病気で休んでいる鉄三を見舞いに行くと、鉄三は以前彼女が届けた昆虫図鑑を見ながら、「これや!」「先生これや!」と自分の飼っているハエの絵を指さし、初めて彼女に口を開くのだった。思わず芙美の瞳は感動にうるみ、それから、ハエの名前を使っての読み方の勉強を始める。暫くして、処理場の移転問題が起こったが、芙美や他の教師、生徒との努力で解決し、子供たちとの友情を一層深めていく。子供の教育は教室だけではないことを知った芙美に、先輩の足立先生は「子供たちは教師の生き方をじっと兎のような眼でみとんのや」と教えた。そして、ある作文の時間、鉄三の作文を読んだ芙美は、子供たちとの心のふれあいの確かな手ごたえを感じるのだった……
■解説
劣悪な環境と戦いながら真の教育を追い求め、子供たちとの心のふれあいを勝ちとる一人の女教師の姿を描く。灰谷健次郎の小説の映画化で、脚本は柳川創造と横田与志の共同執筆、監督は…月春狂詩曲の中山節夫、撮影は江連高元がそれぞれ担当。
1979年3月26日 より
- 配給:共同映画
- 製作国:日本(1979)
■スタッフ
監督 | 中山節夫 (ナカヤマセツオ) |
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脚本 | 柳川創造 横田与志 (ヨコタヨシ) |
原作 | 灰谷健次郎 (ハイタニケンジロウ) |
企画 | 坂斎小一郎 |
製作 | 福富芳樹 (フクトミヨシキ) 五味久夫 (ゴミヒサオ) 時実象平 (トキザネショウヘイ) |
撮影 | 江連高元 |
美術 | 永沼宗夫 (ナガヌマムネオ) |
音楽 | 山下毅雄 |
録音 | 橋本泰夫 (ハシモトヤスオ) 田中恒夫 (タナカツネオ) |
照明 | 岡本健一 (Kenichi Okamoto) |
編集 | 中静達治 |
製作担当 | 神成文雄 |
助監督 | 吉井憲一 (ヨシイケンイチ) |
スチル | 片瀬典子 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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檀ふみ (ダンフミ) | 小谷芙美 |
新克利 (アタラシカツトシ) | 足立先生 |
下條正巳 (シモジョウマサミ) | パク爺さん |
小野進也 (オノシンヤ) | 折橋先生 |
頼光健之 | 臼井鉄三(一年) |
岡上純子 (オカウエジュンコ) | みな子(一年) |
松本五一 (マツモトゴイチ) | 功(六年 |
吉久高広 (ヨシヒサタカヒロ) | 徳治 |
常田富士男 (トキタフジオ) | 徳治の父 |
小林泉 (コバヤシ) | 徳治の母 |
北見唯一 | 高木教頭 |
溝田繋 (ミゾタシゲル) | 校長 |
田畑猛雄 (タバタタケオ) | 草下先生 |
町田米子 (マチダエイコ) | 村野先生 |
森下鉄朗 (モリシタテツロウ) | 山内先生 |
蔵多哲雄 (クラタテツヤ) | 処理所の男 |
松岡健治 (マツオカケンジ) | 純(五年) |
井野辺亮介 (イノベリョウスケ) | 四郎(三年) |
多田和生 (タダカズオ) | 武男(四年) |
吉田隆三 (ヨシダリュウゾウ) | 茂吉(二年) |
園田柚子 (ゾノダユズコ) | しげ子(四年) |
丸谷夏織 | きみ(二年) |
佐々木昌代 (ササキマサヨ) | みさえ(一年) |
北村わたる (キタムラワタル) | 文治(一年) |
近藤健二 (コンドウケンジ) | 淳一(一年) |
田村ゆき (タムラユキ) | やよい(一年) |
志村夏澄 | 女の子A |