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作品詳細

  • てんびんの詩

 

■ストーリー

※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。

国際的にも名の知られた経営者・近藤大作は、あるときテレビ局の取材を受けて自分の少年時代を語った。近江商人の家に生まれた彼は小学校を卒業した日に父から呼ばれ、祝いの言葉と共に鍋蓋の包みをもらった。大作にはその意味がよくわからなかったが、「明日からこの鍋蓋を行商し、もし売れなかったら商家の跡継ぎにはできない」ということだった。大作はまず家に出入りをする大工や植木屋のところを訪ねた。初めのうちは世話になっている商家の息子ということで大事にされるが、鍋蓋の行商とわかると冷たくあしらわれた。親の威光をカサにきた押し売りのような商いがうまく行くはずもなかった。知り合いの大人たちは行商が修行であることを知っているのでなおさら義理で買うようなこともしない。大作は今度は見知らぬ人の家を回ってみたが、ほとんど口さえ聞いてもらえない。彼はやがて親を恨み、買わない人々を憎んだ。父や母が彼以上に辛い思いで、見守っているのが大作にはわからないのだ。時には甲賀売薬の行商に習ってもみ手の卑屈な演技をしたり、乞食娘の真似をして農家の老夫婦を泣き落としにかかったりもしたが、嘘はすぐにばれてしまう。心ない商いは人々の反感を買うだけだった。何日経っても一つの鍋蓋も売れない大作の目にはいつしか涙がたまっていた。ある日大作は農家の井戸の洗場に鍋蓋を見つけ、「この鍋蓋がなくなったら人は困って買ってくれるかもしれない」と思ったが、すぐに考えを改めた。そしてこの鍋蓋も自分のように苦労して人が売った物と思うと、無心に洗い始めた。その鍋蓋の持ち主である農家の女は初めて怪訝そうな顔をしていたが、大作の気持ちを知って鍋蓋を一つ買ってくれた。さらにまた近所の人たちにも声をかけてくれたのである。おかげで大作の鍋蓋は売り切れ、彼は「売る者と買う者の心が通わなければ物は売れない」という商いの神髄を知るのだった。大作は父もしたようにてんびん捧に“大正13年6月某日”と鍋蓋の売れた日付を書き込み、父や母の待つ家へと帰った。



■解説

商人の家に生まれた少年が行商を経て、商いの心を知るまでを描く。脚本は竹本幸之祐が執筆。監督は梅津明次郎、撮影は斎藤定次がそれぞれ担当。16ミリ。

  • 1988年3月15日 より

  • 配給:ジャパンホームビデオ
  • 製作国:日本(1988)

■スタッフ

監督 梅津明治郎 (ウメツメイジロウ)
脚本 竹本幸之祐
企画 ローヤル
製作 鍵山秀三郎 竹本幸之祐
撮影 斎藤定次 (サイトウサダツグ)
美術 上山敏行
音楽 福井秀彦 (フクイヒデヒコ)
録音 井延順一 (イノベジュンイチ)
照明 仙波正巳 (センバマサミ)
編集 西沢博史 (ニシザワヒロシ)
助監督 渡辺譲 (ワタナベユズル)
スチール 谷本勇写真室

■キャスト

俳優名 役名
下元勉 (シモモトツトム)  近藤大作
吉野隆三 (ヨシノリュウゾウ)  少年時代
長内美那子 (オサナイミナコ) 
栗塚旭 (クリヅカアサヒ) 
風見章子 (カザミアキコ)  祖母
志野原良子   叔母
楠年明 (クスノキトシアキ)  叔父
山口幸生   農家の人
重久剛   農家の人
柳川清   親戚の人
絵沢萠子 (エザワモエコ)  大工女房
松村康世 (マツムラヤスヨ)  植木屋女房
三崎千恵子 (Chieko Misaki)  村人カツ

愛がなんだ









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