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作品詳細
ゴルフ夜明け前
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。幕末、慶応2年(1866年)坂本篭馬は京都・寺田屋の一室にいるところ見廻り組の急襲を受けた。愛妻になるおりょうとうまく逃げ出すことができたが、思いがけなく近藤勇の率いる新撰組に遭遇した。副長の土方歳三は2人を怪しいと睨んだが、沖田総司が窮地を救ってくれた。「勤皇か! 佐幕か!」緊迫する幕末の情勢にあって龍馬は薩長同盟を結成。英国の商人グラバーから新式の銃を薩馬名儀で買い入れ、長州へ流していた。龍馬はグラバーからゴルフを教わり、ゴルフの広場(ゴルフ場)を建設して、外交問題を平和的に解決したいと考えた。龍馬はすっかりゴルフに夢中だ。そして、京都伏見の大岩山にゴルフ場をつくることを友人の岩崎弥太郎と陸奥陽之肋に頼んだ。長州の大物・桂小五郎もこのゴルフ外交構想を支持したが、中岡慎太郎は反対していた。龍馬は土佐藩の夕顔丸船上で藩士・後藤象二郎に「天皇陛下と将軍がゴルフをしながら話し合えば戦争は起こらない」と船中八策を説いた。また後藤を通して新撰組の近藤勇にゴルフでの会見を申し込んだ。そうすれば無意味な流血は避けられると考えたのだ。龍馬は薩摩の大物・西郷隆盛にもゴルフの話をしたが「改革派にとって近藤は危険人物だ」と言った。龍馬のゴルフ場が完成。愛妻・おりょうを下関の三吉慎蔵に預け、京に上った。早速、桂小五郎にゴルフをしながら大政奉還を説いたが、桂は武力による討幕を主張した。新撰組の屯所では近藤、土方、沖田の3人が龍馬とのゴルフ会見について話し合っていた。場所は光明寺境内、時刻は明け六つ半。近藤のほか同伴者は1名で、土方は反対したが沖田を連れて行くことにした。ゴルフの広場で坂本龍馬・陸奥陽之肋VS近藤勇・沖田総司の珍妙なゴルフ・マッチプレーが始まった。近藤はその日からゴルフの面白さに取りつかれ、また龍馬にも親しみを感じた。しかし、皮肉にも龍馬は中岡慎太郎と共に近江屋にいるところ見廻組の刺客に倒れた。近藤は龍馬の悲報に涙した。慶応4年(1868年)1月3日、鳥羽伏見の戦いで幕府軍の近藤と沖田は薩摩軍に敗れ、ゴルフの広場に逃げ込んだ。砲弾が飛び交う中で2人は龍馬を想い出し、ゴルフを始めるのだった。その後近藤勇は刑死、沖田総司は病死して日本は明治維新を迎えた。下関の浜には龍馬を偲び、遺品となったゴルフクラブを海に返すおりょうの姿があった。
■解説
幕末、勤皇か佐幕かで対立する坂本龍馬と近藤勇が、斬り合いではなくゴルフで決着をつけようとする姿を描く。桂三枝原作の同名小説の映画化で脚本は「ウルトラマン(1979)」の佐々木守が執筆。監督は「山下少年物語」の松林宗恵、撮影は「愛・旅立ち」の山田健一がそれぞれ担当。
- 配給:東宝
- 製作国:日本(1987)
■スタッフ
監督 | 松林宗惠 (Shue Matsubayashi) |
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脚本 | 佐々木守 (Mamoru Sasaki) |
原作 | 六代目桂文枝 (Bunshi Katsura) |
製作 | 富山省吾 (トミヤマショウゴ) 木村政雄 (キムラマサオ) |
撮影 | 山田健一 (ヤマダケンイチ) |
美術 | 竹中和雄 (タケナカカズオ) |
音楽 | 渡辺俊幸 (ワタナベトシユキ) |
録音 | 大羽正浩 |
照明 | 望月英樹 (モチヅキヒデキ) |
編集 | 黒岩義民 |
助監督 | 西川常三郎 |
スチール | 中尾孝 (ナカオタカシ) |
製作協力 | 吉本興業 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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渡瀬恒彦 (Tsunehiko Watase) | 坂本龍馬 |
高橋惠子 (タカハシケイコ) | おりょう |
島田紳助 (シマダシンスケ) | 桂小五郎 |
太平シロー (タイヘイシロー) | 天王寺屋善平 |
桂文珍 (カツラブンチン) | 松田亮斉 |
オール阪神 (オールハンシン) | 藤吉 |
オール巨人 (オールキョジン) | 刺客 |
西川のりお (ニシカワノリオ) | 土方歳三 |
橋爪淳 (ハシヅメジュン) | 沖田総司 |
佐藤B作 (Sato Bisaku) | 陸奥陽之助 |
岸部一徳 (Ittoku Kishibe) | 後藤象二郎 |
田中隆三 (タナカリュウゾウ) | 岩崎弥太郎 |
阿藤快 (アトウカイ) | 三吉慎蔵 |
武野功雄 (タケノイサオ) | 中岡慎太郎 |
常田富士男 (トキタフジオ) | 佐野藤右衛門 |
なべおさみ (Osami_Nabe) | 海真和尚 |
明石家さんま (アカシヤサンマ) | 写真師 |
西川きよし (ニシカワキヨシ) | 西郷隆盛 |
六代目桂文枝 (Bunshi Katsura) | 近藤勇 |