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作品詳細
星の牧場
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。高原の牧場で働く青年モミイチは、戦争のなかで受けたショックとマラリアの熱で記憶を失っている。だが、1兵隊のときの愛馬ツキスミのことだけは忘れられず、今もその麻の音が時折耳に聞こえてきた。ある日、麻の音を追いかけて山奥深く入り込んだモミイチは、初めて踏み込んた美しい花畑でクラリネットを吹く男に出逢う。彼のテントで一夜を明かし、聞いたのは森の中で暮らす不思議なジプシーたちのことであった。各々が得意の仕事を持ち自由な生活をおくりながら、時々一緒になって音楽を演奏して楽しむという。ツキスミのことを心配してくれるジプシーたちに心惹かれたモミイチは感激し、牧場に戻ってきても彼らのことばかり考えていた。美しい音色を奏でる鈴をたくさん作った彼は、再び山奥深く入り込みジプシーたちを捜し求める。そして、オカイコを踊らせるバイオリン弾きの美少女、ビオラを奏でるそり兄をはじめ、たくさんのジプシーたちと出逢い素晴らしい歓待を受けた。彼らの「次の満月の夜、森の奥で開かれるジプシーたちの・バザールで再会しよう、それまでにツキスミのことを尋ねておこう」という言葉を胸に、モミイチは牧場に戻った。だが、彼を心配した牧場主夫婦、許嫁のゆきはこれ以上自由にしておけぬと監視する。満月の夜、牧場を抜け出せぬモミイチは泣くのだった。夏も過ぎ去ろうという頃、再び山に出かけた彼は歩き回るが、かつての場所にジプシーたちの姿は見えなかった。捜し疲れて眠り、眼を覚ますと流れ星の降る中をツキスミが駆けめぐっている。夜空ではジプシーたちのオーケストラがシンフォニーを響かせている。歓喜にあふれたモミイチはツキスミの背に乗って、夜空で待ち受けるジプシーたちの許へと昇っていくのだった。
■解説
記憶を失った青年とジプシーたちの心の交流を描いたメルヘン。庄野英二原作の同名小説の映画化で、監督は脚本も執筆した「風立ちぬ(1976)」の若杉光夫、撮影は「新・喜びも悲しみも幾歳月」の岡崎宏三がそれぞれ担当。
1987年6月13日 より
- 配給:東映クラシックフィルム
- 製作国:日本(1987)
■スタッフ
監督 | 若杉光夫 (ワカスギミツオ) |
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脚本 | 若杉光夫 (ワカスギミツオ) |
原作 | 庄野英二 (ショウノエイジ) |
企画 | 相澤徹 (アイザワトオル) 水野清 (Kiyoshi Mizuno) 若杉光夫 (ワカスギミツオ) |
製作 | 相澤徹 (アイザワトオル) 水野清 (Kiyoshi Mizuno) 若杉光夫 (ワカスギミツオ) |
プロデューサー | 高木巌 渡辺範雄 (ワタナベノリオ) |
撮影監督 | 岡崎宏三 (Kozo Okazaki) |
美術 | 坂口武玄 |
音楽 | 天野正道 (アマノマサミチ) |
録音 | 本田孜 (ホンダツトム) |
照明 | 末吉忠二 |
編集 | 菅野善雄 (Yoshio Sugano) |
助監督 | 山口巧 (ヤマグチタクミ) |
製作協力 | 光武福見 木下昌也 シルバーストーン |
スチール | 山本耕二 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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寺尾聰 (Akira Terao) | モミイチ |
檀ふみ (ダンフミ) | ゆき |
檀ふみ (ダンフミ) | ジプシーの娘ユキ |
みずき愛 (ミズキアイ) | オカイコのバイオリン |
上條恒彦 (Tunehiko Kamijou) | 蜂飼のクラリネット |
石田純一 (イシダジュンイチ) | ジャム作りのフリュート |
常田富士男 (トキタフジオ) | 角作工のファゴット |
岡本信人 (オカモトノブト) | 大工のオーボエ |
大橋吾郎 (オオハシゴロウ) | オカイコの兄のビオラ |
楠トシエ (クスノキトシエ) | ティンパニーの女房 |
大坂志郎 (オオサカシロウ) | 村の医者 |
フランキー堺 (Franky Sakai) | オカイコとビオラの父・コントラバス |
南田洋子 (Yoko Minamida) | 牧場主の妻 |
坂上二郎 (Jiro Sakagami) | 牧場主 |