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作品詳細
アゲインスト むかい風
■ストーリー
※ストーリーには結末の記載を含むものもありますのでご注意ください。関ケ原太郎は言語障害を伴った左半身麻痺の身障者だが、持ち前の闘志で強く明るく生きている。そんな太郎の描いた油絵「白馬岳」が日宣美展で特選を受賞した。評判の太郎の絵を見にきた、松永進という、やはり身障者の青年が、三人の若者にトイレに連れ込まれ、暴力を浴びた上に、財布や時計を奪われた。進は裕福な家庭の生まれだが、十四歳のときポリオに冒されて以来、アトリエにこもり、絵だけを楽しみにする孤独な青年だ。進はその事件のショックで絵をやめ、誰とも会おうとしない。太郎は進の家に日参し、手紙も書いた。過保護に育てられ、内向的な進も、やがて太郎の真心がわかってきた。太郎のアパートを訪ねた進は、彼から、登山に熱中して大岩壁から落ちて身障者になったことを聞く。今でも山に登るという太郎に励まされ、進は歩く努力を始めた。そして二人は登山にチャレンジした。岩また岩を、太郎は少し登っては進を引っぱった。そして、遂に頂上に。進は大声で泣いた。しかし、帰路、二人は不良学生にインネンをつけられ、負けず嫌いの太郎は、身障者らしからぬ力で相手に重傷を負わせてしまう。学生の親達が太郎を傷害罪で訴えた。そこで、事件を目撃した会社の山岳部に所属する梅原清子という女性が、太郎の正当防衛を力説した。進の父がお金をだすから示談にしようと太郎を説得するが、自分の正しさを主張して彼は刑務所に入った。太郎が出所したら白馬に登ろうと、清子と進はトレーニングを始めた。そして、やはり山狂いで大学を二浪中の清子の弟、清二も加わった。やがて、太郎が出所した。数日後、清子に清二が遺書を残し、ひとり白馬へ登ったという知らせが届いた。予備校の試験でカンニングがバレて、入試の資格を失ったためだ。白馬に向う太郎、進、清子。捜索隊も二の足を踏む壁面を三人は登り始めた。しばらくして、雪の斜面に埋もれている清二が見つかった。大雪渓を清二の遺体を引きずりながら必死に下山する三人。その時、雪崩が太郎と清子を飲みこんだ。何処にそんな力があったのか、進は力の限り雪をカキ続けた。そして、まだ息のある二人を救いだした。麓では、清二の遺骸を引いて降りて来る太郎、清子、進の姿が見えた。
■解説
言語障害、身体障害のハンデを負いながらも力強く生きる青年の姿を描く。脚本は「典子は、今」の松山善三、監督は「さらば、わが友 実録大物死刑囚たち」の中島貞夫、撮影は「看護婦のオヤジがんばる」の南文憲がそれぞれ担当。
1981年11月28日 より
- 配給:東映セントラルフィルム
- 製作国:日本(1981)
■スタッフ
監督 | 中島貞夫 (Sadao Nakajima) |
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脚本 | 松山善三 (マツヤマゼンゾウ) |
企画 | 葦澤紀之 (アシザワノリユキ) |
製作 | 片山清 (カタヤマキヨシ) |
撮影 | 南文憲 (ミナミフミノリ) |
美術 | 川島泰三 (Taizo Kawashima) |
音楽 | 広瀬健次郎 (Kenjiro Hirose) |
録音 | 井家眞紀夫 (イカマキオ) |
照明 | 川崎保之丞 (カワサキヤスノジョウ) |
編集 | 戸田健夫 (トダタケオ) |
助監督 | 菅光璽 |
■キャスト
俳優名 | 役名 |
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三沢慎吾 | 関ケ原太郎 |
香野百合子 (コウノユリコ) | 梅原清子 |
石田純一 (イシダジュンイチ) | 松永進 |
高野浩之 (タカノヒロユキ) | 梅原清二 |
橘麻紀 (タチバナマキ) | 美恵 |
和泉友子 | 松永美津子 |
市川好朗 (イチカワヨシロウ) | トラックの運転手 |
野口貴史 (ノグチタカシ) | 捜査課の刑事 |
新谷のり子 | 中年の女性 |
山崎哲也 (ヤマザキテツヤ) | 佃 |
中村敦夫 (ナカムラアツオ) | 予備校の教師 |
石井トミコ (イシイトミコ) | 大学生の母 |
長谷川待子 (ハセガワマチコ) | 梅原ノブ |
菅井きん (スガイキン) | 杉本よし子 |
西村晃 (ニシムラコウ) | 古沢 |
池部良 (イケベリョウ) | 松永洋介 |